第五話 攻略!ダンジョンを突破せよ!13
中ボス戦の反省会
中ボス部屋に静けさが戻った。
床に倒れたE級オークの巨体が、ゆっくりと光の粒子となって消えていく。
風の召喚少年団の5人は、息を荒げながら互いの顔を見合わせた。
クレスがシルバー・ストライクを収め、大きく息を吐いた。
「……勝った……!」
カイルは三体の召喚獣を優しく撫でながら、疲れた笑みを浮かべた。
「3体同時召喚……なんとか持ちこたえた……
みんな、よく頑張ったよ……」
アネットがメイスを下ろし、すぐに回復魔法をかけ始めた。
「皆さん、お疲れ様です……
特にクレスくん、よく耐えましたね」
エレナは風鈴を握りしめ、ほっと胸を撫で下ろした。
「……みんな、無事でよかった……」
チェスターが弓を肩にかけ、冷静に周囲を確認した。
「中ボスは倒したが……このダンジョンはリポップするタイプだ。
ここから先は危険すぎる。
一旦、里に戻って体力を回復しよう」
クレスは名残惜しそうに奥の通路を眺めたが、
すぐに頷いた。
「わかった……今回はここまでだな。
みんな、お疲れ!」
一行はダンジョンを後にし、リーフェの里へと帰還した。
中ボスがリポップするまで3日あることを確認し、
皆でアルベイン道場に集まって中ボス戦の**感想会(反省会)**を開くことにした。
道場の中央に円を描くように座り、
各自が水筒を手に持ちながら話し始めた。
クレスが最初に口を開いた。
「俺の反省……前衛として突っ込みすぎた。
オークの攻撃を全部受け止めて、みんなに負担をかけた。
もっと冷静に、チェスターの指示を聞くべきだった」
チェスターが静かに頷いた。
「俺も……もっと早く『下がれ』って声を出すべきだった。
クレスが危ない場面が何度もあった。
斥候として、全体を見渡せていなかった」
アネットが少し申し訳なさそうに言った。
「私も……前へ出る勇気は出したけど、
回復のタイミングが遅れてしまったわ。
神官戦士見習いとして、まだまだ未熟です……」
エレナは小さく手を握り、
「私……風の祝福でみんなの動きを助けられたけど、
もっと早くオークの視界を乱せばよかった……
怖くて、ちょっと手が震えてしまった……」
カイルは三召の首飾りをそっと触りながら、
「僕は……3体同時召喚を初めて実戦で使ったけど、
まだ集中力が続かなくて……
もう少しMP管理を上手くやらないと、みんなに迷惑をかけるなって思った」
クレスがみんなの顔を順番に見回し、
少し照れくさそうに笑った。
「……でも、勝てたのはみんながいたからだ。
俺一人じゃ絶対に無理だった。
お前らのおかげで、俺は前に出られた。
ありがとう」
アネットが優しく微笑んだ。
「私も……クレスくんが前に立ってくれたから、
勇気を出せたわ。
これからも、みんなで一緒に強くなっていきましょう」
エレナがカイルを見て、
「カイルお兄ちゃんの召喚獣が3体同時に出てきたとき……
すごく心強かったよ」
カイルは頰を赤らめながら、
「みんなが支えてくれたからだよ……
僕も、もっと上手くなって、みんなを守れるようになる」
チェスターが静かに締めくくった。
「今回の反省を活かして、次はもっと上手くやろう。
僕たちはまだ始まったばかりだ」
5人は顔を見合わせ、
自然と笑顔になった。
クレスが拳を中央に差し出し、
「よし……風の召喚少年団、再び!」
全員がその拳に自分の拳を重ねた。
「「「「おおっ!」」」」
道場の外では、夕陽が優しく差し込んでいた。
中ボスを倒した達成感と、
まだまだ未熟であることへの自覚。
それらを胸に、少年少女たちはまた一歩、
前へ進もうとしていた。




