第五話 攻略!ダンジョンを突破せよ!3
粘土採取 再挑戦
東の沼から泥だらけで帰還した風の召喚少年団は、
大八車をギルド支所の前に停めた。
マーサおばちゃんが驚いた顔で迎えた。
「まあ、ずいぶん早いわね……
どうしたの? 泥だらけじゃないの!」
クレスが疲れた笑顔で大八車を指差した。
「少しだけですが、粘土を採ってきました。
でも……マドハンドが無限に出てきて、途中で撤退しました」
おばちゃんは納品された粘土の量を見て、優しく微笑んだ。
「まあ、よく頑張ったわね。
少しだけでも十分よ。
報酬はちゃんと出すわ。
でも、明日も受注するの?」
カイルが頷いた。
「はい。里の復興に必要な粘土ですから……
絶対に採ってきます」
その夜、アルベイン道場に全員が集まり、作戦会議を開いた。
クレスが木剣を握りしめながら言った。
「同じやり方じゃ、またマドハンドが湧いてくる。
どうする?」
チェスターが地図を広げ、冷静に分析した。
「マドハンドは沼の底の巣から無限に湧くタイプだ。
正面から突っ込むのは愚策。
……俺の提案は、入り口を煙で封鎖して、少量ずつ誘い出す作戦だ。
煙で巣の出口を塞ぎ、1〜2匹ずつ出てきたところを確実に倒す。
これなら無限湧きを防げるはず」
アネットが頷いた。
「煙はチェスターくんが作れるわよね。
私は回復に集中するから、みんなの負担を減らせるようにするわ」
エレナが小さく手を挙げた。
「……私、風の祝福で煙をコントロールできるかも……
出口に風を当てて、煙を中に押し込むように……」
カイルは目を輝かせた。
「それいい!
僕もファングで守りを固めて、
スカーレットで上空から監視するよ。
3体同時はまだ無理だけど、2体なら大丈夫!」
クレスが拳を握った。
「よし、決まりだ!
明日、絶対に成功させるぞ!」
翌朝。
一行は前日の反省を活かし、慎重に東の沼へ向かった。
チェスターが事前に作った特製煙玉を沼の主要な入り口に3ヶ所設置。
エレナが風の祝福で煙を巧みにコントロールし、巣の奥へ押し込んでいく。
カイルがスカーレットを上空に飛ばし、
「今、1匹……2匹……出てきた!」
最初のマドハンドが煙に追われて這い出てきた瞬間、
クレスがシルバー・ストライクで一閃。
銀色の刃が輝き、マドハンドを正確に両断した。
「よし、1体!」
チェスターの矢が次々と追加で出てくる個体を射抜き、
アネットの回復とエレナの風が的確にサポートする。
同じ方法で、合計12匹のマドハンドを確実に仕留めた。
無限湧きは完全に抑えられ、沼の底の巣は煙で静かになった。
クレスが汗を拭きながら笑った。
「作戦成功だ!
これなら粘土をたっぷり採れるぞ!」
一行は時間をかけて粘土を大量に切り出し、
大八車に満載して里へと帰還した。
マーサおばちゃんは目を丸くして喜んだ。
「まあ! こんなにたくさん!
昨日とは大違いね。
よく頑張ったわ、風の召喚少年団!」
報酬を受け取り、5人は広場で小さくガッツポーズをした。
クレス「やった……今回はちゃんと成功した!」
カイル「みんなの作戦がよかったんだよ……」
エレナは嬉しそうにカイルの袖を握り、
アネットは優しく微笑み、
チェスターは静かに頷いた。
失敗をバネに成長した彼らは、
また一つ、確実に前へ進んでいた。




