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カイルの愉快な冒険  作者: KYO
第一章~風の召喚少年団~
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第三話 始動!風の召喚少年団!10

アルベイン道場での修行

リーフェの里の朝、アルベイン流剣術道場はいつものように木剣の音で賑わっていた。

今日は特別に、風の召喚少年団の3人が道場を借りて合同修行を行うことになった。

チェスターは父親の猟師仕事を手伝うため不在だった。

クレスが道場の中央に立ち、シルバー・ストライクを腰に差したまま木剣を構えた。

「よし、今日も本気でいくぞ!

カイル、アネット、準備はいいか?」

カイルは革の胸当てを軽く叩き、樫の杖を握り直した。

「うん! ファングとルビィは待機させておくよ。

今日は剣術に集中する!」

アネットは神官らしい白いローブの裾を整え、木剣を少しぎこちなく構えた。

「私も……頑張ります。

神様、どうかみんなをお守りください……」

少し離れた道場の隅では、エレナがルークと一緒に読み書きの勉強をしていた。

エレナが木の板に文字を書きながら優しく教える。

「ほら、ルーク。この字は『風』。

カイルお兄ちゃんの召喚獣みたいに、優しい風の字だよ」

ルークが一生懸命に真似して書いていた。

「ふう……かぜ……! できた!

エレナ姉ちゃん、上手くなった?」

エレナは微笑んでルークの頭を撫でた。

「うん、上手くなったよ。

あとは『剣』も覚えようね」

道場中央では本格的な修行が始まっていた。

クレスが先陣を切り、カイルに向かって木剣を振る。

「カイル、来い! 後衛の動きも大事だぞ!」

カイルは樫の杖で受け止めながら、必死に足を動かした。

「うわっ、速い……!

でも、こうかな!?」

アネットは二人の横で木剣を構え、クレスと軽く打ち合っていた。

「クレスくん、もっと腰を落として……

はい、そこです!」

クレスが笑いながらアネットの剣を弾いた。

「アネット、最近上手くなったな!

神官なのに剣も強いなんて、ずるいぞ!」

アネットが頰を少し赤らめて、

「そんな……クレスくんが教えてくれるからですよ」

カイルは二人の様子を見ながら、心の中で思った。

(クレスとアネット……なんだかいい雰囲気だな……)

修行の合間に、クレスが皆に声をかけた。

「失敗したあの日から、俺は毎日ここで素振りしてる。

みんなも一緒に強くなろうぜ。

次にピンチが来ても、絶対に仲間を失わないように!」

カイルが頷いた。

「うん……僕も、もっと召喚のタイミングを早くできるようになりたい」

アネットが聖印を胸に当てて、

「私も……みんなの傷を、絶対に癒せるようになります」

隅ではエレナがルークに文字を教えながら、

時々道場中央の3人を見て、静かに微笑んでいた。

「カイルお兄ちゃん……頑張ってる……」

ルークがエレナの袖を引っ張った。

「エレナ姉ちゃんも剣の練習しないの?」

エレナは少し照れくさそうに首を振った。

「私は……風でみんなを支える方がいいかなって。

それに、ルークと一緒に勉強するのも好きだよ」

修行が終わると、クレスが皆に水の入った杯を渡した。

「今日もいい汗かいたな。

みんな、ありがとう」

カイルは息を整えながら、

「うん……道場に来てよかった。

チェスターも次は一緒にやろうね」

アネットが優しく微笑んだ。

「また来ましょう。

私たち、もっと強くなれるはずです」

道場の外では、夕陽が木々の間から差し込んでいた。

風の召喚少年団は、

失敗をバネに、静かに、しかし確かに成長を続けていた。

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