第三話 始動!風の召喚少年団!6
シルフェリアの里 ~新たな防具~
失敗から一週間後。
風の召喚少年団は広場に集まり、真剣な顔で話し合っていた。
クレスが自分の胸当てを叩きながら言った。
「正直……俺たちの防具、貧弱すぎる。
前回のアルミラージの件で痛感した。
もう少しちゃんとした防具を買おうぜ」
チェスターが頷いた。
「シルフェリアの里なら、エルフの技術を使った軽くて丈夫な防具があるはずだ」
カイルも同意した。
「そうだね。僕も革の胸当てだけじゃ心許ないし……みんなで行ってみよう!」
こうして一行は、再びシルフェリアの里へと向かった。
木々の家が連なる美しい里に着いた5人は、早速防具を扱う店を回り始めた。
クレスは軽量の革とミスリル糸を織り交ぜた胸当てを、
チェスターは動きやすい肩・腕守りの革アーマーを、
アネットは神官用の白いローブ型防具を、
カイルは召喚士らしい軽い革の胸当てとマントのセットを選んだ。
しかし、ここでアクシデントが起きた。
店主のエルフが申し訳なさそうに言った。
「申し訳ありません……カイルさんサイズの胸当てとマントは、ちょうど今朝売れてしまいまして……。
次の入荷は三日後になります」
カイルががっかりした顔をしたその時——
「まあ、みんな来てたのね」
柔らかな声が響いた。
エレナの叔母、リリアーナ・シルフェが優しい笑顔で現れた。
リリアーナは状況をすぐに察し、店主と少し話した後、エレナの手を優しく引いた。
「エレナ、ちょっと来て」
リリアーナは工房の奥から、淡い緑色を基調とした美しい軽量革の胸当てとマントのセットを持って戻ってきた。
エルフ特有の風の魔法が織り込まれた、非常に軽く、それでいて丈夫な逸品だった。
「これはエレナへの、叔母からのプレゼントよ。
あなたがみんなを守れるように……これを着なさい」
エレナは目を丸くして、
「え……でも、こんな高そうな……」
(皆には黙っていたが、エレナの父はまたエレナのお金で酒を飲んでしまい、エレナ自身はほとんど小遣いを持っていなかったのだ)
リリアーナは微笑みながらエレナの頭を撫でた。
「いいの。エレナが頑張っているって、ちゃんと伝わってるから。
叔母さんからの気持ちだと思って受け取って」
エレナは少し目を潤ませながら、叔母に抱きついた。
「……ありがとう、おばさん」
カイルが嬉しそうに言った。
「エレナ、それ、めっちゃ似合いそう!」
クレスも笑って、
「これでエレナも前より守られやすくなるな」
こうして一行は、それぞれ納得のいく防具を手に入れた。
特にエレナは叔母からのプレゼントをとても大切そうに抱えていた。
里を後にする道中、エレナはカイルの隣を歩きながら、
新しい胸当てをそっと撫でていた。
「……カイルお兄ちゃん、私、ちゃんとみんなを守れるようになるね」
カイルは新しい胸当てを叩きながら、笑顔で答えた。
「うん。一緒に強くなろう」
新装備を手にした風の召喚少年団は、
少しだけ胸を張ってリーフェの里へと帰っていった。
【現在の装備状況】(シルフェリアの里防具購入後)
カイル・ランチェスター(12歳・召喚士)
武器:勇者の剣(模造剣・ダガー) アンコモン級(高品質 C-) ※クレスから返却済み
補助武器:樫の杖(予備・後衛用)
盾:おなべのフタ(即席盾)
防具:革の胸当て(兄・ガルドのお下がり)
上着:グランターバン(紫)+グランマント(紫)
服:旅人の服(父のお古)
靴:革の靴(エリオのお下がり)
クレス・アルベイン(13歳・剣士)
武器:「シルバー・ストライク」(レア級片手剣・バルドゥーク作)
→ シンプルでスラリとした刀身。振った瞬間に鈍い銀色から澄んだ輝く銀色に変化する特性を持つ。
防具:軽量革+ミスリル糸混じり胸当て(新購入)
その他:革の剣帯
チェスター・ホーキンス(13歳・ハンター)
武器:自作小型弓+高品質矢
防具:軽量肩・腕守り革アーマー(新購入)
その他:皮の帽子
アネット・フォウリー(14歳・神官)
武器:小さな聖印
防具:神官用白ローブ型防具(新購入)
その他:薬草ポーチ
エレナ・ミュラー(11歳・風精霊使い)
武器:小さな木の杖
防具:軽量緑革胸当て+マント(リリアーナ叔母からのプレゼント)
その他:エメラルド・ウィンドリング(レア級・左薬指)




