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カイルの愉快な冒険  作者: KYO
第一章~風の召喚少年団~
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第三話 始動!風の召喚少年団!4

失敗と代償

リーフェの里に帰った夜、カイルが家に入ると父バルドが炉の前に座って笑顔で待っていた。

「よう、カイル。街で少しは冒険者らしいことができたそうだな。

グレイヴォルフを倒したって? よくやったぞ」

バルドはカイルの頭を大きな手でガシガシと撫で、珍しく褒めてくれた。

しかし母リリアは目が真っ赤になっていた。

「カイル! あなた……また危ないことに首を突っ込んだのね!?

もう心配を掛けるんじゃないって、何度言ったらわかるの!?」

長男ガルドも真面目な顔で諭した。

「まだ子供なんだから、母さんを心配させるような無茶はするな。

……まあ、頑張ったのは認めるがな」

ガルドはそう言いながら、自分の古い革の胸当て(少し大きめのお下がり)をカイルに渡した。

「これを着ろ。せめて胸くらいは守れるように」

カイルは胸当てを抱きしめ、複雑な気持ちで「ありがとう……」と呟いた。


数日後。

風の召喚少年団は再びギルド支所でクエストを受注した。

アルミラージ退治(F級)

森の奥の第五層洞窟に3体のアルミラージが出没しているとの依頼。

一行は意気揚々と洞窟に向かった。

第五層の広い空洞で、ついにアルミラージ3体と対峙した。

白く長い角を持つ巨大な兎型魔獣。動きが素早く、角が鋭い。

クレスが先頭で突っ込んだ。

「来い! 俺が抑える!」

レア級の片手剣が銀色の軌跡を描き、1体目に強烈な一撃を叩き込んだ。

チェスターの矢が目を狙い、エレナの風が足を止め、カイルのファングが横から噛みつく。

アネットが後方から回復を撒きながら応援した。

1体目、2体目と順調に倒した。

しかし、最後の1体を仕留めようとした瞬間——

ガサッ!

天井の穴から突然マドハンド(F〈低級〉)が2体飛び降りてきた!

「なっ!?」

その隙に最後のアルミラージが突進。

鋭い角がアネットの胸を直撃した。

「アネット!!」

アネットが血を吐いて倒れた。

クレスは即座に叫んだ。

「撤退だ! 今すぐ逃げるぞ!」

クレスがアネットを担ぎ上げ、チェスターが煙玉を投げ込み、ファングが殿を務めて必死に洞窟を脱出した。

外に出た瞬間、一行は絶望した。

ルビィの回復の光だけでは到底追いつかない重傷。

回復役のアネット本人が倒れている今、どうすることもできない。

カイルはすぐにスカーレットを飛ばした。

「スカーレット! 近くに誰か助けてくれる人がいるか探して!」

クレスとチェスターは血の臭いに釣られて現れたフォレストウルフの群れと交戦し、

エレナはアネットの手を握りながらあたふたと震えていた。

「アネット……起きて……お願い……」

数分後、スカーレットが近くを探索していたE級冒険者パーティーを発見し、誘導してくれた。

なんとかアネットは一命を取り留めた。

ギルドに戻った一行は、クエスト失敗の報告をした。

マーサおばちゃんはため息をつきながら言った。

「今回は……失敗扱いね。報酬はなしよ。

でも、よくアネットちゃんを連れて帰ってこれたわ」

その夜、それぞれの家で厳しい言葉が待っていた。

クレスは父アレスに道場で厳しく罰を受け、

チェスターは猟師の父に長時間説教され、

アネットは父である村の司祭に「神官として未熟」と叱られた。

カイルは母リリアに「もう冒険者なんて絶対に辞めなさい!」と大泣きで怒られた。

エレナの父はいつものように飲んだくれていて、結局何も言われなかった。

風の召喚少年団は、初めての大きな失敗と代償を味わった。

しかし——

カイルは自分の部屋で、革の胸当てを握りしめながら小さく呟いた。

「……まだ、諦めたくない」

エレナは左手の指輪をそっと撫で、

アネットの病室の前で祈りを捧げていた。

少年少女たちの冒険は、まだ始まったばかりだった。

【世界設定追加:アイテム品質基準(公式)】

晶剣のラクシアでは、冒険者ギルド「フォーチュン・ソード」が定めた6段階の品質ランクが世界共通基準となっています。

品質ランク

コモン 一般 E- ~ D-

村の雑貨屋で普通に売っている量産品


アンコモン 高品質 D- ~ C-

職人の手が入った良品。冒険者初心者のお宝


レア 希少 C- ~ B-

古代遺跡や強力モンスターから出る逸品


エピック 英雄 B- ~ A+

英雄伝説に語られるクラス。国宝級


レジェンダリー 伝説 S- ~ SS+

神話級の武具。四晶塔最深部でしか見ない


エキゾチック 神話 SSS

神々が直接作ったとされる、世界に数個しかない超存在

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