表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/34

第8話 壊れた記憶の守護者

1.輝きを失う街


深海家の旧邸での出来事以降、表面的には平穏を取り戻したかに見えた。しかし、僕の相談室には、以前とは質の違う「違和感」を抱えたクライアントが急増していた。


「……会社から任されていたプロジェクトは成功し、昇進も決まりました。周囲からは羨望の的です。でも……なぜでしょう。自分が何のために成し遂げたのか、その「手応え」というか実感が全く沸かないんです。消えてしまったように……」


大手企業の若きエースであるその相談者の言葉には生気が感じられなかった。彼のEgo Cubeをスキャンすると、形状自体は保たれているが、Cubeの内側に自己一致率(高さ)の低下を支える土台として蓄積されるはずの「成功体験の結晶」だけが、痕跡だけを残して消失いしていた。


「明日美さん、見てくれ。これは以前の「エゴレス」とは違う。自我は残しながら、自己一致率を安定的に底上げするためのそれだけが抜き取られている」


「ええ、太陽。これ……とても悪質だわ。例えるなら「やりがい搾取」。成功体験という、最も自己一致率を高めるポジティブな感情だけを狙ってる。自分がなぜそこに向かっていたのかという「目標(絶対値)」が意味を失い、静かに、そして確実に活力を枯らしていく……」


骨伝導イヤホンから聞こえる明日美の声は、かつてないほどの緊張を孕んでいた。



2.複数個所のエゴ・コア


アーク・システムズの九条零から、緊急の通信が入ったのはその日の夕方だった。


「神野、エゴ・コアは一箇所ではなかった。MAG-GRAVカードのネットワークが、都市部の地下に微弱な「重力のよどみ」を検知した」


九条が送ってきたデータによれば、オメガは活動を停止するどころか、小規模なエゴ・コアを分散配置し、「見えない静かな捕食」へと戦術を切り替えていた。一気に奪えば目立ちその反動も大きくなる。だが、成功体験だけを摘み取るやり方なら、人々は自分が「燃え尽き症候群」に陥っただけだと誤認し、オメガの存在にすら気づかない。


「九条、ファントムを分散させよう。白石海斗の「NEO-GAEA」のリソースを借りて、都市の全域で情報の淀みを特定する。これだけピンポイントで個人を捕食するためには、何らかの形で対象に接触して追跡しているはずだ」



3.母の残したコーディング


深夜の共同研究室。明日美は狂ったようにキーボードを叩き続けていた。ファントムたちが捉えた「捕食プログラム」の断片。それを解析していた彼女の手が、突然、凍りついたように止まった。


「……また、これなのね」


「明日美さん?」


「この非線形なカオス演算コードの癖……。太陽、間違いないわ。このプログラムを書いているのは、私のお母様よ」


明日美の瞳が、潤んでいるのがわかる。深海家の一族は、代々「伝えし者」としての役割を受け継いできた。自分の記憶に全時間軸での、この世界の真実の知識を受け入れなければならない。彼女の母は、その宿命から家族を守るため、あるいは別の目的のために、オメガの「捕食システム」を構築しているエンジニアのようだ。


「母は、兄が亡くなった後、行方不明になったと聞かされていた。でも……このコードに埋め込まれているデータ……おそらく座標、こんな痕跡を残している理由は分からないけれど、ここに母がいるのかもしれない。」


明日美は自身のEgo Cubeを握りしめた。それは「母なる海」としての輝きを放ちながらも、一族への不安と期待で激しく揺らいでいた。


「太陽、お願い。私をこの座標の場所に連れて行って。……この呪われた血脈と向き合いたい」


「約束しただろう、明日美さん。君のどんな記憶も、僕の重力ですべて受け入れる。……行きましょう。深海一族が受け継いできた、宿命の境界線へ」


僕たちは、九条と権藤に支援を要請し、アスミが特定した座標へと向かった。


そこには、世界中の「喜び」を吸い取り、灰色の安息を供給することで一族が抱える負の感情を抑えてバランスを保つため、オメガの深い闇が口を開けて待っていた。



4.静寂の廃墟


辿り着いたのは、中心部から少し離れた場所にある廃業した病院施設だった。


「……ここよ。この建物みたい」


明日美の声は、湿った空気の中に消え入りそうだった。彼女の手にあるEgo Cubeは、不安に呼応するように細かく明滅している。


「神野、用心しろ。この建物全体が、妙な磁場に包まれている」


九条が銀色のCubeを掲げ、磁気シールドを展開する。


「ああ。重力の流れも不自然だ。まるで、空間そのものがカーテンで区切られているような感覚だ」


僕はSpell Cardを使用して昆虫型のファントムを展開し、周囲の歪みを感知した。


権藤さんが先頭に立ち、錆びついた非常階段を降りていく。地下へ進むほど、空気は冷たく、そして重くなっていった。廊下の突き当たり、かつて重症患者を収容していたであろう特別室の扉。そこには、NEO-GAEAのサーバーを凌駕するほど高密度の演算ユニットが、血管のように張り巡らされていた。


扉を開けた先にいたのは、僕たちの想像を超える光景だった。無数のMAG-GRAVカードから吸い上げられた「純度の高い成功体験」が、虹色の光の糸となって、部屋の中央に座る一人の青年に注ぎ込まれていた。


その青年の傍らで、慈しむように彼の手を握る女性。明日美によく似た面影を持つ、彼女の母だった。


「……来たのね、明日美。そして、神野…太陽さん」


彼女は驚く様子もなく、静かに僕たちの方に振り返った。


「お母様……どうして……!なぜこんな、人の活力を奪うようなことを!」


明日美が叫ぶ。だが、彼女の母は悲しげに微笑むだけだった。


「この子は、ナギ。あなたの兄よ。あなたには亡くなったと知らされていたと思うけど……凪はね、幼い頃から一族の宿命である「無限の記憶」にとても関心を持っていたの。自分がその宿命を背負えることを「誇り」にすら思っていたくらい……。おじい様はそんな凪の資質に期待を寄せていた……でも、凪は急ぎ過ぎたの。全てを受け入れられるだけの「器」が育つまで待てなかった。「揺らぎを」知らないまま、自ら「記憶」を受け入れようとしてしまったの」


僕がスキャンした凪のEgo Cubeは、完璧な透明度を持ちながらも、絶対値も自己一致率も限りなくゼロになっていた。


「記憶の過負荷オーバーロード……」


僕は呟いた。あまりに密度の濃い記憶に無防備な状態で触れた結果、事実を受け入れることができず自我が極度の自己否定を始めてしまい、防衛本能が強制的に働いて思考停止に陥ってしまったようだ。彼のEgo Cubeは、中身のない「真空の器」として、外部からの刺激を一切拒絶し、ただ静止していた。


「この子は今、何も感じない、何も望まない。なにも受け入れない。あの時から時間が止まっているわ」


母は、光り輝く成功体験の糸を凪のCubeへと送り込み続ける。


「成功体験という名の「喜び」だけをこの子に流し込めば、いつか……いつか満たされ、心は蘇るはず。……だから私は、世界中から少しずつ「喜び」を摘み取っているのよ」


「そんなの……!奪われた人たちはどうなるの!彼らの「意志」を、誰かを犠牲にして得た幸せに、何の意味があるっていうのよ!」


明日美のEgo Cube「母なる海」が激しく波打ち、青い光が室内に溢れ出す。


「……私は、母親として、この子にとっての「誰か」になりたかった。……明日美、あなたには申し訳ないと思っていた。けど、私は、この子に改めて「生きる意味」を与えてあげるためにオメガに助けを求めた。また……この子に笑ってほしいだけなの」


母の操る「捕食プログラム」が加速し、部屋中のサーバーが唸りを上げる。凪のCubeに接続した虹色の光が、奪われた「喜び」を強引に流し込み始めた。


「……明日美さん、僕に力を貸してくれ」


僕は凪さんに歩み寄った。


「お母さん。あなたの気持ちは分かりました。でも、その方法では凪さんを救えない。……他人の記憶で器を埋めても、それは彼の「自我」とはならないんです」


「……お母様、お願い。その手を止めて」


廃病院の地下、青白い光が脈動するサーバールーム。アスミの声が、震えながらも静寂を切り裂いた。彼女のEgo Cube「母なる海」は、かつてないほど深い蒼色に輝き、室内の重圧を必死に押し返している。


目の前では、明日美の母・澪が、虚空を見つめる兄・凪の頭を優しく撫で続けていた。凪の身体には、世界中から集めた「成功体験」という名の活力を流し込むための光の触手が幾本も突き刺さっている。


「……明日美。あなたは恵まれていたわね。太陽さんという「重力」を見つけ、自分を保つ術を知った。でも、この子を見て……。凪は、あまりに純粋すぎたのよ」


澪が凪を見つめる瞳には、狂気と慈愛が混ざり合っていた。


「深海家が代々受け継ぐ「無限の記憶」。それは人類が歩んできた何百万年分もの感情よ。凪は、そのすべてを理解しようとした。誰ひとり、取りこぼしたくないと願って……。その結果、彼の 心は重圧に耐えきれず壊れてしまったの」


「だからって……他人の成功体験を奪っていい理由にはならないわ!今、街では未来への希望を失って、抜け殻になった人たちが溢れているのよ!」


明日美が叫び、一歩踏み出す。だが、澪は冷ややかに微笑んだ。


「その人たちはまた、新しい「経験」を作ればいいわ。でも凪には……凪にはもう……。ねえ、明日美。あなたは「誰かのために」という感情こそが、自我を保つために必要だと教わったのでしょう?ならば、世界中の人々の「喜び」を、お兄様のために捧げることは……最高の愛ではないかしら?」


「それは……愛じゃない。ただの都合の良い自己満足よ!」


「明日美さん、下がっていて。……僕が凪さんEgo Cubeに干渉する」


「無茶だ、神野!そんな状態の相手とCubeを接続したら、反動でお前もどうなるかわからないぞ!」


九条の警告を背に、僕は凪の手を触れた。その瞬間、凄まじい「不快な沈黙」が僕を襲った。


視界が真っ白に塗りつぶされる。そこには色も、音も、も存在しない。あるのは、ただ無限に広がる「何もしたくない、何も感じたくない」という、極限まで圧縮された無気力。


(……凪さん。聞こえますか。……神野太陽です)


僕の問いかけは、吸い込まれるように消えていく。澪が流し込んでいる「他人の成功体験」の欠片が、凪の深層心理の外側に虚しく漂っていた。それらは、彼の自我とは決して混ざり合わず、ただの「異物」として排出されようとしている。


(……あなたは、優しすぎたんだ。……世界中の悲しみや苦しみを、すべて自分一人で背負おうとして。……でも、あなたは一人じゃない)


僕は自らのGaeaを解放した。僕がこれまでに経験してきた「十数回の死」の記憶。挫折し、罵倒され、それでも「考えることを諦めなかった」泥臭い挑戦の記憶。


(……成功体験なんていらない。……凪さん、僕の「絶望」を、僕の「痛み」を……少しだけ感じ取ってください。……それなら、あなたの今のCubeでも受け入れてくれるはずだ……)


僕はGaeaの「命を奪うチカラ」を凪のCubeへ向けて解放した。


「凪さん。……ただ、「そこに在る死」を許容してください。……あなたの空虚さも、沈黙も、僕の中にあるGaeaがすべて「無限の記憶」の一部として背負って、あなたに新たな「基準点ゼロ」を刻みます」


同時に、明日美が凪の手を握った。


「お兄様……私の「海」に身を任せて。……泥も、暗闇も、全部私が飲み込んでGaeaの循環に戻してあげる……」


サンのGaeaが凪のCubeを振動させ、アスミの「深い海の受容」が彼の器に潤いを与えて癒していく。


黄金色の重力が、凪のEgo Cubeを振動させる。それに明日美の「海」の波動も重なった。


「お兄様……!自分の記憶を閉ざさないで……!」


明日美の悲痛な叫び。その「揺らぎ」が、凪のEgo Cubeに届いた瞬間。ピキッ、と乾いた音が響いた。


凪の指先が、微かに動いた。虚ろだった彼の瞳に、一瞬だけ、深い「哀しみ」の光が宿る。


「……あ……、あ……っ……」


凪の唇から漏れたのは、言葉以前の、魂の呻き。その目から一筋の涙がこぼれ落ちた。他人の光ではなく、自らの内側から生み出された、初めての感情。


「凪……!?ああ、凪、私を見て!」


澪が歓喜の声を上げ、凪にすがり付く。だが、その劇的な場面を嘲笑うかのように、地下室の空間全体が漆黒のノイズに包まれた。


「……実に醜い。深海家の血を受け継ぎながら、そんな低次元な「情緒」に溺れるとは」


背後の暗闇から、黒いコートを纏った「漆黒の観測者」が歩みよってきた。 その男が仮面を外した瞬間、明日美が息を呑んだ。


「……お父様……?」


そこに立っていたのは、深海家の当主。明日美の父、深海シンカイ 真澄マスミだった。



5.絶対王者の論理


「お父様……生きていたの……?どうして、こんな……」


明日美の声は震え、足元が崩れ落ちそうになっていた。深海真澄は、鏡のように無機質な瞳で娘を見下ろした。その手元には、サンの黄金や九条の銀を遥かに凌ぐ、圧倒的な質量を持った「漆黒のEgo Cube」が静かに浮遊している。


「明日美。お前は「母なる海」として覚醒したようだな。だが、それは受容という名の「妥協」だ。……この凪を見ろ。人類の感情を半端な状態で受け入れた結果、壊れてしまった。……個人の自我など、膨大な「無限の記憶」の前では、あまりに無力なのだよ」


真澄の声は、室内のすべての空気から振動を奪うほど冷徹だった。


「オメガの目的は、……このエゴ・コアを通じて、全世界の自我を一つに統合することだ。個人の「意志」も、「痛み」も、「喜び」も、すべてを世界中に散らばっている「漆黒の観測者」が回収して再構成する。……そこに「個」の苦しみは存在しなくなる。唯一絶対の「神の意志」で安定した世界を実現する……。それこそが、深海一族が辿り着くべき最終目標だ」


「そんなの……、個人が意志を持たない世界なんて、ただの死の世界よ!私たちの歩んでいる人生を、無意味みたいに扱わないで!」


明日美が叫び、青い波動を放つ。だが、真澄の漆黒のCubeはその波動を無造作に飲み込み、さらに質量を増していった。


「神野太陽。……お前の提唱する「トライアングル(三位一体)」。……面白いが、甘いな。その三つを結んでいるものは何だ? ……言葉か? 信頼か? ……そんな形の無いあやふやなもので、私たちの「統合」に抗えると思っているのか」


真澄が指を鳴らすと、室内のサーバーが臨界点を超えて発火し、漆黒の触手が僕たちを包囲した。


「九条、権藤さん! 二人の保護をお願いします! 明日美さん、僕の背中から離れないで!」


僕はEgo Cubeを掲げ、ジンのSpell Cardと同期させた。次元を超えて他者に干渉できる僕の重力。そして、すべてを包み込む明日美の蒼い海。


二つの波動が重なり合い、漆黒の触手と激突する。


「……ぐっ、重い……!これが、世界中の自我を捕食した質量か!」


漆黒の触手は容易く僕たちのCubeを侵食してくる。


「太陽……お父様は、一族の使命を守るために、お母様や私を「変数」としてしか見ていない……。家族の愛なんて、捨ててしまったのよ!」


明日美が涙を流しながら、僕の手を強く握った。


「……違うわ。お父様。……あなたは、誰よりも「愛」を恐れているだけなんだわ!」


「愛だと? ……そんな非効率な感情、一族の使命を受け入れたときに切り捨てた」


真澄が漆黒のCubeに両手を添えると空間がひび割れ、僕たちの意識が吸い込まれそうになった。その時、凪のCubeが「七色の閃光」を放った。


九条がMAG-GRAVカードを凪に最適化して同期させることに成功したようだ。


「……あ……り……が……とう……」


凪の唇から、はっきりとした言葉が紡がれた。それは、澪が与えた「偽りの成功体験」ではなく、サンが与えた「痛みの共有」と、明日美が与えた「受容の温もり」によって、凪自身の深層心理が「自らの死を受け入れて」新たな基準点ゼロを自覚した瞬間だった。


凪のCubeから放たれた反動ともいえる光は、真澄の漆黒の重力を内側から中和していく。


「何……!? 凪のCubeが再起動しただと? あり得ん、理論上は死んでいたはずだ!」


「真澄さん。……これが、あなたが切り捨てた「愛という特異点」のチカラです」


僕は明日美の手を引き、光の中へと踏み出した。


「量子力学において、観測者が対象をどう見るか。……それは、二者択一じゃない。……「相手の幸せを願う」という、最も非合理で、最も強力な意志。……キャリア理論に必要なピース……」


凪が生み出した七色の光が「愛」という結び目を中心に集束し、漆黒のCubeの波動を押し返したした。


大音響と共に、エゴ・コアが崩壊を始める。真澄は、自らの漆黒のEgo Cubeが「揺らぎ」を発生させているのを信じられない様子で見つめていた。


「……愛……。……そんな不確実なものが、私の「統合」に抗えるというのか……。」


「しばらくお前たちの成り行きを見せて貰うことにしよう……。凪の覚醒にも多少興味がある……。エゴ・コアは世界中いたるところで稼働している。光が在る限り闇もまた存在する……。無くなることなどあり得ないのだよ……」


そう呟き、真澄はいつの間にか姿を消していた。


夜明け前。地下室から、僕たちは凪と澪を連れ出し、地上へと戻った。だが、オメガの「漆黒の観測者」の一人であり、明日美の父だった真澄の残した言葉は、世界中に散らばった「エゴ・コア」の中に、依然として火種を遺していることを告げていたようだった。


「……明日美さん。お兄様と、お母様を……救えたね」


僕は、疲れ果てて僕の肩に頭を預ける明日美の髪に触れた。彼女は、小さく


「……ふ、ぅ……」と吐息を漏らし、僕の腕をぎゅっと掴んだ。


「……太陽さん……私、まだ全部受け入れきれてない……。せっかく家族が一か所に揃ったのにこんな状況って……ね……。」


「正直揺らいでる……。今はあなたの重力に……寄りかかっていてもいいかな……」


「……もちろんだよ……。明日美さん」


僕はそっと彼女の肩を抱き寄せていた。


そのとき、懐のSpell Cardには、僕と明日美がこの一夜で綴った「愛の記憶」が、ジンから渡されたデータを上書きするように、静かに刻まれた。


深海一族の呪縛は無くならない。オメガからの干渉も、より強まるだろう。だが、僕たちに、もう迷いはなかった。


「Spellを綴ります。――「すべての孤独な魂よ。誰かの愛を灯火に、己が意志を歩み続けよ」」


朝日が、暗かった空を明るく照らし始める。サンとアスミ。二人がSpell Cardに綴る「物語」は、ここから新たな展開を迎えることになる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ