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死神の恋  作者: 劉・小狼
3/18

 3

 翌日から知也をからかっていた男子大学生らは

気乗りがしない知也と共にまだ幼さが残る

可愛い冴子のことを探し始めた。

 だが、どこの学部を探しても冴子の姿は見当たらなかった。

 「やっぱり、気のせいだったんだよ!」

 「バカを言え!…… ちゃんとお前も見ただろう……

おまけに手まで握って……」

 男子大学生の一人・幹夫は羨ましそうに冴子の

手を握った知也の手を強く握った。

 「い、痛いよ…… 放せよ!」

 強く握っている幹夫の手を払い除け、知也は幹夫が

握っていた手を労【いた】わった。

 他の男子大学生らもまだ幼さが残る、

可愛い冴子のことを思い出しながら、羨ましそうに

知也のことを見詰めていた。

 男子大学生らがやっていることが急にバカバカしくなった

知也は

 「俺は降りる!……」

 男子大学生らから別れるといつも一人で過ごしている、

大学の図書室へと向かった。

 小さい時から本が好きだった知也は友達らと休み時間に

外で遊ぶより、図書室で大好きな本を貪【むさぼ】り読むのが

好きだった。

 それは大学生になった今も変わらなかった。

 人とガヤガヤと話しているよりかは一人、静かな図書室などで

本を読んでいるのが安らぐのだった。

 いつものように図書室にやって来た知也は本を何冊か選ぶと

いつも自分が本を読む席に座り、選んできた本を読み始めた。

 一冊目の本を半分くらいまで読んだとき、知也の横に

よそ風が吹き抜けた。

 『あれ? 風?……』

 そよ風なんか吹かない図書室におまけに自分のすぐ横で

起きたそよ風に知也は首を傾げながら、顔を上げると

そこには知也は決して、読まないような難しそうな

外国の小説を持った冴子が知也のすぐ横に立っていた。

 知也のことに気が付いた冴子は

 「あっ…… あなたは……」

 知也に声をかけた。

 突然、自分の前に現れた冴子に驚いた知也は

 「あっ!…… き、きみは……」

 と思わず、大きな声を出し、座っていた椅子から

立ち上がった。

 図書室に響き渡る知也の大きな声に図書室内にいた人達は

一斉に知也の方を見て、


 シィ……


 と静かにするように促す仕草をした。

 ハッと我に返った知也は

 「す、すみません……」

 小声で言うと申し訳なさそうに自分が座っていた

席に腰を降ろした。

 そんな知也のことを見ていた冴子は少しおかしくなり、

くすりっと笑いながら

 「ここの席、良いかしら?……」

 知也が座る席の目の前の席を指差した。

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