表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神の恋  作者: 劉・小狼
14/18

 14

 その頃。


 「よぉ!冴子……久しぶり!」

 冴子の前に突然、吏雄と利奈が現れた。

 「な、何よ…… 貴方達!」

 冴子は突然、自分の前に現れた吏雄と利奈のことを

警戒しながら、後ずさりをしようとした。

 「あいつ【知也】を始末する前にお前が邪魔だから

お前から先に片付けさせてもらうぜ!」

 吏雄は冴子との距離を縮めるべく、冴子の方へ

じわりと歩み寄りながら、冴子に向けて、

小型のナイフを投げ付けた。

 『あ、危ない!……』

 冴子は飛んで来るナイフを自分の前で念力のような力

で受け止めると

 「これは貴方に返すわ!」

 自分に飛んで来たナイフをそっくりそのまま、

吏雄に向けて、投げ返した。

 吏雄も冴子と同じようにナイフを自分の前で

念力のような力で受け止めようとしたが、冴子の後ろに

知也の姿を見つけると

 『これは使える!』

 ナイフを受け止めることなく、自分の躯に冴子から

投げ返されたナイフを躯に突き刺し、

 「うわぁ……」

 断末魔を上げ、崩れるようにその場に倒れ込んだ。

 利奈も冴子の後ろに知也を見つけ、吏雄の演技を見て、

 「きゃあぁ…… 人殺し!……」

 と悲鳴を上げた。

 冴子のもとに駆け付けた知也は倒れ込んでいる吏雄を

見ながら

 「冴子。 君がやったのか?」

 声を震わせ、冴子に尋ねると知也と会えた時とは

まるで別人の顔の利奈は冴子のことを指差しながら

 「そ、その人がやったわ……」

 というと顔を隠し、泣き崩れた。

 驚いた顔をしながら、

 「ほ、本当なのか? 冴子……」

 知也は冴子に訊いた。

 「……」

 冴子は知也から顔を背けたまま、何も答えなかった。

 顔を隠し、泣き崩れる利奈の顔の奥は小悪魔のように

微笑んでいた。

 「ご、ごめんなさい……」

 冴子は知也にそう謝るとまるで知也に自分の正体が

死神であるのを明かすかのようにその場からその姿を

幽霊のように消し去った。

 知也は何が何だか、まるで状況が飲み込めなかった。

逃げるように自分がねぐらにしている洋館のような

建物の中の自分の部屋に戻ってきた冴子は

 「もう!……」

 利奈らの策略に嵌ったことに悔しがりながら、知也と

一緒に行った遊園地で知也から買ってもらい、

首からぶら下げていた星型のペンダントを首から引きちぎると

部屋の中へと投げ付けた。

 部屋の中で悔しがっている冴子のもとに姿を現すことなく、

 「貴方の負けよ!…… 後は私達がうまく、やってあげるから

貴方は大人しくしていなさい!」

 利奈の声が聴こえて来た。

 冴子はその場に崩れるように座り込み、泣き崩れた。

 知也が混乱したまま、自分の住んでいるボロアパートの

自分の部屋の前まで帰ってくると自分の部屋のドアに

一通の手紙が挟まっていた。

 知也がその手紙を開くと

 「じ、実は……」

 冴子からの手紙だった。

 「実は私は貴方の命を狙っている死神なの……

今まで嘘を付いていて、ごめんなさい!」

 その手紙の内容は自分が死神であることを告白するものだった。

 だが、その手紙は冴子が書いたものじゃなかった。

 その手紙は利奈が冴子の筆跡を真似て、書いた偽の手紙だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ