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死神の恋  作者: 劉・小狼
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 真っ暗な部屋の中……


 まるでスポットライトが当たるように部屋の中央が明るく

照らされている。


 そこにぼわっとまるで幽霊が現れるように部屋の中に

冴子と同じような可愛らしい女の子・利奈が現れた。

 利奈は片膝を床らしき所につけ、しゃがむと

 「何か、お呼びでしょうか?」

 姿も見えず、部屋の中に響き渡る冴子の上司の声に

話しかけた。

 冴子の上司は少し苛立った口調で

 「地上にいる冴子が最近、任務をサボっておる!……

お前が冴子の代わりに任務を果たすのだ!……」

 と利奈に冴子の代わりをするように命令した。

 利奈は恐縮しながら

 「わ、わかりました!……」

 冴子の上司に忠実に従うようにそう言うと立ち上がり、

その姿を部屋の中から再び、幽霊のように消し去った。


 何度か、冴子と会うようになった佳苗は冴子への

ジェラシーも薄れていき、今では知也らが呆れるほど、

大の仲良しになっていた。

 「ねぇねぇ。冴子…… 次の休み、どこに行く?」

 佳苗は楽しげに一緒に歩いている冴子に話しかけた。

 「そうね? ショッピングは?」

 冴子は後ろから冴子らのことを呆れ顔で見ながら、

付いて来る知也らのことを気にし、嬉しそうにそう言った。

 『本当に楽しげだな……』

 知也が楽しげな冴子と佳苗のことを見ながら、

ぼんやりと歩いていると突然、知也の前に花鉢が落ちてきた。

 『あ、危ない!……』

 間一髪のところで知也にその花ハチは直撃はしなかったが

恐怖で知也は脚がすくんだ。

 花鉢が割れる音に

 「なに、なに?……」

 冴子と佳苗はびっくりし、知也の方を振り返った。

 冴子と佳苗が振り返ると知也の目の前で花鉢が

割れており、知也が脚をすくませ、躯を震わせていた。

 その花鉢は明らかに知也のことを狙っていたものだった。

 『ま、まさか?……』

 嫌な予感がした冴子が花鉢が落ちてきた上空を

見上げるとそこには幽霊のように上空に漂い、

こちらに向かって、薄笑みを微笑んで、冴子のことを

見詰める利奈の姿がいた。

 冴子が怖い顔で利奈のことを睨み付けていると花鉢の

持ち主が慌てて、近くのマンションのベランダーから

女の人が身を乗り出し、現れ、

 「ご、ごめんなさい!」

 知也に謝った。

 「だ、大丈夫ですよ! 怪我もないですから……」

 花鉢の持ち主の声にハッと我に返った知也は

自分に謝ってきた女の人に優しく笑顔で微笑んだ。

 知也がそんなやり取りをしているうちに冴子の前から

すでに利奈の姿はなかった。

 冴子は早めに知也らと別れると

 「あいつめ!……」

 怒り顔のまま、その場から幽霊のように姿を消し去り、

利奈のもとに向かった。


 廃ビルの屋上から広がる街並みを楽しげに見詰める

利奈の後ろに現れた冴子は

 「てめぇ! 何のつもりだ?」

 激怒し、利奈に喰ってかかり、利奈の胸倉を掴んだ。

 「うるせぇな…… てめぇが中々、獲物を死へと

誘わないからだろうが……」

 利奈は胸倉を掴む冴子の手を払い除け、冴子に

勝ち誇った顔をした。

 冴子は利奈に図星を言われ、少し苦々しい顔をしながら、

 「このことはあの方は知っているの?」

 利奈に聞くと

 「ええぇ…… あの方から命じられて、

私はここにいるの…… てめぇはもう用済みだって……

あの獲物はこれから俺が狩るから……

てめぇは黙って、見てなぁ!」

 利奈は冴子にそう言い放つと廃ビルの屋上から

外へと飛び出し、その姿を冴子の前からパッと消し去った。

 『やばいわ! 知也が危ない!』

 利奈が消え去った方を見詰めながら、冴子は知也のことが心

配になり、利奈と同様に冴子も廃ビルの屋上からその姿を

幽霊のように消し去った。


 その次の日から冴子は知也が利奈に狙われないように

四六時中、知也の傍にいて、知也のことを見張ることにした。

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