↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
尋ねた手紙〜妖獣と人間を繋ぐ力〜  作者: すごろくひろ
高校編 ③さよならの前に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/40

勝負しろ

「……」

 赤狸は軽く肩を落とす。目をなかなか合わせてくれない。

「ちゃんと言わなきゃわからんぞ、《《健》》」

「……なんでわかったんですか?」

「なんとなく……な」

 健は観念したのか、子狸姿から装束姿に変身をゆっくりと解除する。フミはその様子に呆然としていた。

「いつの間にそんな能力を……」

「まあ、いろいろとあって」

「本物のフミはどこ行った?」

「フミちゃんは、多分もうすぐ……」

 コンコンと窓が叩かれる音がする。健は窓を開けると、彼はすいーっと部屋の中に入ってきた。その姿は、装束姿の健と瓜二つであった。

「ただいまー。いやあ今日も大変だった」

「何が大変だったんだ? 《《フミ》》」

「あっ……」

 フミは顔をひきつらせたまま、スケと見合わせていたのだった。

「どういうことか説明しないか」


 *


「なんだよ、呼び出しといて……」

 直は眠気を隠せぬまま、スケによって健の部屋へ連れてこられた。そこには健とフミが正座して待機していた。

「……」

「いいから座るのだよ、直」

「……嫌だ。帰る」

 直は不機嫌そうな顔をして踵を返す。直が部屋を出ようとしたとき、顔に思い切り衝撃を受ける。

「痛っ!」

 思わず顔を抑え、その場でうずくまる直。ドアの四隅を見ると、札が貼られているのに気づく。その札に触れようとすると、静電気のような感覚を覚える。

「これって、まさか!」

 よくよく見ると、伏見神社の結界用の札であった。軽く舌打ちをする直。健とフミは彼のそんな様子を見て、何とか笑いをこらえていたが、直にきつく睨まれて小さくなっていた。

「健、ここで勝負しろ」

「なんで?」

 きょとんとする健に、直はさらに苛立ちを隠せなくなっていた。

「お前がムカつくから」

「理由が理不尽すぎるよ」

「……」

 直は小さな声で何かを呟くと、スケを思い切りひったくって装束姿に変身した。

「今日は金曜日だし、夜遅くなっても問題ないな」

「どういうこと?」

 健は頭上にハテナを浮かばせる。

「決闘だ。勝負しろ、健」

「暴力反対。平和的に話し合いを――」

 直の一睨みが健の言葉を妨げる。健は何かを言いたげな感じだったが、何かを悟ったのか返事をした。

「……わかったよ。直がそれで納得いくなら」

 健もフミを抱えると、同じように装束姿に変身した。両社とも少し険しい顔つきになっていた。

「じゃ、どこでする?」

「手っ取り早く、その辺でいいだろ」

 直は外を指さすと窓から飛び降りた。健も後に続いて飛び降りる。二人は結界を施すと、相対するように身構えた。

「それじゃ、始めるか」

「後悔しないでよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。