第54話 飛行船
「ダイナミックエントリー!!!」
「なぜそんなにテンションが高いんだ!?」
掛け声とともに窓ガラスを割り飛行船に潜入する。
やっぱ窓ガラスを割りながらの潜入はロマンだよな!
「ふぅ、侵入成功だな!」
「……そうだな」
オルフェンが何かを言いたそうな顔をしているが、俺はそれをスルーして周囲の警戒をする。
「……特に何もなさ「ダイナミックエントリー!!!」……おぉ」
「お前もか……」
俺が周囲の警戒をしていると、俺が割った窓ガラスとは違う窓ガラスを飛び蹴りで壊しながらシントリエが入ってきた。
ふ、やはりシントリエと俺は相性抜群なようだ。
「ちょっ、シントリエさん!?わざわざそんなに派手に入る必要ありました!?」
「なんとなくだよ」
「えぇ……」
ルナもシントリエの割った穴から入ってきたようだ。
よし、これで全員飛行船に潜入できたな。
「よし、それじゃあ全員集まったし探索を開始するぞ、まずはマナ測定器で敵がいないかの確認……を……?」
「ん?どうしたんだゼア?」
なんだこれ?
至る所で反応してるんだけど?
故障か?
「なんかそこら中にマナがあるって出てるんだけど」
「は?そんなわけ……ん?確かにそこら中にマナを感じるな?」
「シントリエもそういうってことはマナ測定器の故障じゃなさそうだな……」
本当にそこら中にマナがあるのか……
う~ん……、ということはもしかして……
「この飛行船ってマナで動いてたりする?」
「なるほど、ありえなくもないな、このサイズの飛行船だ、物理的になんで飛んでいるのか疑問であったがそれなら説明がつく」
「マナで動く飛行船か……、なんかロマンがあるな」
「う~ん、ロマンがあるのはいいんだけどさ……、これ周りにあるマナが邪魔で魔物の測定できなくね?」
「え!そうなんですか!?」
「ふむ……、確かにその装置の仕組み上周りのマナが多すぎると魔物の測定は不可能になる、これから先はマナ測定器の力に頼らず自力で警戒するしかないだろうな」
「そうなんですね……」
マナ測定器の作成者であるオルフェンも俺と同じ意見なようだ。
なら間違いなくこれから先マナ測定器は使えないだろう。
「なら私を先頭にして進みませんか?魔法の関係上警戒しながら進むのは得意なので」
「なるほど……、よし、そうしようか、頼んだぞルナ」
「はい!じゃあまずはこっちの方に進みますね!」
廊下を進んでいくルナの後をついていく。
ルナはこれまでに何度も怪盗として潜入を行っているからか警戒が上手い。
死角にいる敵でも正確に把握して、不意打ちで即座に排除してくれている。
これなら探索もだいぶ楽だ。
そんな風に順調に探索を進めていると、周りと比べ妙に大きな扉の前にたどり着いた。
「……明らかに怪しい部屋ですね」
「……入ってみるか?」
「んじゃ入るか」
「え……」
「は……?」
「待っ……!」
ルナと入るかどうかを話していたらシントリエがためらいなく開けやがった……
中に誰かいたらどうする気……
「む?」
「え?」
「あら?」
「「「……」」」
開かれた扉の先、そこには3人の女の子の姿があった。
1人目は銀色のウェーブがかったロングな髪の知的そうな子で、2人目は赤色でショートのボーイッシュ、3人目は黄色で地面につきそうなほどの長さの髪を持つ上品そうな感じだ。
……どうしよ。
「……ねぇリーダー、この場合って僕たちはどうすればいいのかな?」
「……まぁ、とりあえず逃げればいいのではないか?」
「あら?でもあの子たちって確か全員要注意人物よね?倒した方がいいんじゃないかしら?」
「ローズ、今回の我々の目的はあくまでこの施設の調査だ、要注意人物の排除ではない」
「あら、残念ね」
……なんか重要そうな話してるんだけど。
話の内容的に多分あいつらもこの飛行船に侵入してるんだよな。
ってことは敵じゃない?
けど俺たちのこと要注意人物って言ってるし……
「なんだお前ら敵か?」
言った!!!
こういう時に直球で聞けるシントリエがいてよかった~
「そうだな……、今は敵ではない、といったところだろうか」
「そうか、じゃあなんでこんなところにいるんだ?」
「それに関していえば君たちとさして変わらないと思うのだが……、まぁ簡単に言えば調査のためだな」
「ふ~ん……」
「さて、ここまで話せばもう用はないだろう?我々はもう目的を達した、これから報告のために帰らなければならない」
「そう、じゃあさよなら」
「あぁ」
リーダーらしき銀髪の少女がそう言うと背後に謎の穴が現れる。
彼女たちはその穴に入り、そのまま消えてしまった。
「……なんだったんだあいつら?」
「今は敵ではない……か」
「さっきの穴……、アクセラが使っていた転移の魔法と似てませんでした?」
「魔王軍ではない第三勢力なのか……?」
「……いろいろ気になる所はあるけど今回の目的はあくまでも真司さんの救出だ、今は先を急ごう」
「あぁ、そうだな」
俺たちは再び目的のため先に進み始めることにした。
部屋の奥にあった扉を通り、妙に長い廊下を進んでいく。
そしてその先にあったのはさっきの扉よりもさらに大きい扉だった。
「……また大きい扉ですね」
「……また明らかに怪しい扉だな」
今度こそ慎重に扉を開けるため、扉に耳を当てて中の音を聞こうとした。
「……え?」
しかしその瞬間扉がひとりでに開き始めてしまった。
そして開いてゆく扉の先には……
「ふふ、ようやく来たのね?」
「アクセラ……!」
小話
実はここに来るまでの間に3回ほどオルフェンはマナゼリーを飲んでいる。
ようやく決戦に入りそうなのでポイント乞食します。ポイントください。




