第47話 立案
協力をしてくれることになったため、その詳細を恵夢に話す。
「もともとセーヌドームで調べてほしいことはイベントの時何をする気なのかだけだったんだが、もう1つ増えた」
「何が増えたんですか?」
「有瀬不動産が抜き出した情報、マナゼリーについてだ」
「まなぜりー?」
俺は持っていたマナゼリーを取り出し、恵夢に見せながらそう言った。
さっきに恵夢の話によると、魔物の襲撃の後の侵入者は有瀬不動産の差し金らしい。
となると抜き出されたマナゼリーの情報は有瀬不動産が持っていると思われる。
一体マナゼリーを使って何をするのか。
俺はそれが知りたい。
「マナゼリーはその名の通りマナが含まれるゼリーだ、これを使えば魔法少女にも通用する銃弾が作れる」
「え!?そんなものがあるんですか!?」
「あぁ、そしてマナゼリーにはそれだけじゃない一番バレるとまずい性質があるんだ」
「そ、それっていったい……」
「……よく見てろよ」
俺はそういうと恵夢に見せていたマナゼリーを飲んだ。
そしてあの言葉を言う。
「変身」
『Are you ready? Change→XeA THE First Appearance!!!』
「え、えぇ!?!?」
俺の体が光に包まれ、気が付けばほぼ全身真っ白な魔法少女、ゼアの姿へと変わる。
「という感じでマナゼリーを飲むと魔法少女に変身できるようになる」
「??????」
どうやら恵夢は俺が変身したという事実をまだ呑み込めていないようだ。
うん、まぁ当たり前だろう。
とりあえず俺は恵夢が情報を処理しきるまで待つことにした。
そしておよそ15分後……
「え~と?つまり宇佐戯さんはやっぱり女の子だった?」
「まて、どうしてそうなった!?」
俺は魔法少女ではあるけど少女ではないぞ!?
何をどうしたらそうなるんだ!?
「え、いやだって魔法少女は女の子がなるもので、つまり魔法少女になれる宇佐戯さんは女の子ということに……?」
「ならないから!俺は正真正銘男だから!」
「えぇ?」
ひどく混乱しているんだろうとは思うが、だからといって俺を女の子ということにはしないでほしい。
「マナゼリーには魔法少女を生み出す力があるの!つまり男だろうが飲めば魔法少女になる!」
「え?いや、え~?」
「なんかいまいち分かってなさそうだな~!?」
その後、恵夢を説得するまでにさらに15分ほどかけることになった。
「なるほど?まぁ多分理解できました、よね?」
「それは俺が知りたいよ……」
でももうこれ以上俺が男であるという説明をするのは疲れたため、もうさっさと話を続けることにした。
「話を戻すぞ、恵夢にしてほしいことはつまりセーヌドームから何の目的で魔法少女機関に使わせるのかに関する情報と、マナゼリーを使って何をする気なのかに関する情報を取ってくることだ」
「わかりました!」
……本当にわかっているのだろうか。
そんなことを少し思いつつ、次の話をする。
「もちろん恵夢だけに負担をかける気はない、あらかじめ潜入するための道具を用意してある」
「道具ですか?」
「あぁ、飲むことで変身時間を延ばせるマナゼリー、そしてカメラ内蔵の伊達メガネとワイヤレスイヤホンだ」
「おぉ、つまりこれを使えば宇佐戯さんに情報を送りながら長時間潜入できるんですね!」
「そうだ、それにイヤホンを通して俺が恵夢を支援することもできる」
俺は持ってきておいた道具を恵夢に渡しながら、それぞれを説明する。
これが恵夢の助けになればいいが……
「これだけあれば余裕で潜入できますね!」
「う~ん、それはちょっと怪しいかもな」
「え?」
俺ももともとはこれだけ用意していれば大丈夫だろうと思っていた。
だが、恵夢の話を聞いて状況が変わった。
「恵夢をぼろぼろにした魔法少女、そいつがどうしても邪魔になる」
「あ……」
俺がそう言うと恵夢の体が少しだけ震える。
だがその震えはすぐに収まった。
「大丈夫です!もうあんな奴怖くありません!次あったら逆にこっちがぼろぼろにしてやります!」
「その気概はいいけど、対策は考えようか」
「あっ、はい」
気概だけで勝てるほど相手も甘くないだろう。
あらかじめ対策を考える必要がある。
「おそらくだが、恵夢を襲ったのは魔法少女機関も要注意人物だと判断しているアクセラっていうやつだ」
「アクセラ?」
「泥土魔法という泥と土を操る魔法が使える魔法少女だ、多分恵夢が食らったのはその魔法で作った土の剣だと思う。」
「なるほど……」
アクセラについては俺が入院したときにおっさんにも説明済み。
すでに要注意人物として魔法少女機関は警戒している。
そんなアクセラがセーヌドームにいると考えると厄介だ。
俺が与えた負傷ももう治っているだろうし、今度こそ恵夢が死ぬ可能性がある。
「それでアクセラにする対策なんだが、もしアクセラに遭遇した場合魔法少女に対処してもらう」
「……はい?」
俺の発言の意味がよくわからなかったようで、恵夢はぽかんとした表情をしている。
「俺は魔法少女機関に所属しているだろ?」
「えぇ、そうですね?」
「そしてセーヌドームには一般人がいつでも入れるレストランなどのスペースがある」
「……え~と、つまり?」
「魔法少女機関に所属している職員が、セーヌドームにイベントの下見として、所属している魔法少女と一緒に来ている最中に、要注意人物として魔法少女機関が把握しているアクセラが現れたらどうなると思う?」
「あっ……」
どうやら恵夢も察してくれたらしい。
そう、俺はあさみたちにアクセラと戦ってもらおうと思っているのだ。
「恵夢にはアクセラに襲われながら魔法少女がいるところまで逃げてもらう必要はあるが、それぐらいなら多分できるよな?」
「まぁ、多分出来ますけど本気ですか?」
「もちろん本気だ」
「えぇ……」
恵夢が俺の作戦に若干引いている。
ただ正直これが一番うまくいく方法だと俺は思う。
あさみ達に迷惑をかけてしまうが、まぁ何とかしてくれるだろう。
「これでアクセラへの対策含めて潜入作戦はできた、他に何か聞きたいことはあるか?」
「まぁ、多分大丈夫です!」
「よし、じゃあ事前準備ができたら連絡するから、そのつもりで待っていてくれ」
「はい!」
よ~し、それじゃあさっそく俺は帰って『セーヌドーム潜入作戦~巻き込まれるあさみ達を添えて~』の準備だ!
小話
何気に宇佐戯は結構あさみと清華のことを信頼している。
これで潜入できるようになったのでポイント乞食します。ポイントください。




