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ゼノマギア  作者: ささみ
第2章 なぜ彼は魔法少女であれるのか
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第32話 襲撃

 会議を終えた後、俺は魔法少女機関の研究所へと仕事をしに来ていた。


「宇佐戯く~ん、なんかマナについて分かった事とかあるっすか~?」

「特に何も~」

「そっすか~、それは残念っす~」


 話しかけてきた創さんに適当に返事を返す。

 まぁ、実際特に何も進展はないので仕方がない。


「それにしても最近平和っすよね~?」

「ん?なんか平和を実感するようなことあったっけ?」

「あら?宇佐戯君は知らないのかしら?」


 創さんの言葉に疑問を返すと、優愛さんにそう言われた。

 どうやら俺は何かを知らないらしい。

 う~ん?

 最近は引越しの手伝いやらで忙しくて、周りのことなんてまったく気にしてなかったからな……


「実はここ数日魔物が発生してないのよ」

「このまま発生しなくなってくれたらいいんすけどね~」

「……え?」


 ここ数日魔物が発生してない?

 それって大丈夫なのか?

 魔物は多分魔王軍の兵器だ。

 それが最近現れないってことは何かの準備で忙しいから魔物が送れなくなっているってことじゃないか?

 そして何の準備であるかを考えるときに、一番可能性が高いのって……


 俺の頭に嫌な想像が浮かぶ、そしてその想像が現実になったのはすぐのことだった。


 ジリリリリリリリッ!!!!

 そんな警報音があたりに鳴り響いた。


「いきなり何の音っすか!?」

「警報音は確かここが襲撃されているときのよ!?」

「マジすか!?」


 まずいぞこれは!?

 さっきの想像通りならこの警報は!


「おい!お前らここにいるか!」

「井出さん!いったい何があったんすか!」

「魔物の襲撃だ!それも大群の!」

「「はぁ!?」」


 おっさんの回答に、優愛さんと創さんの驚きの声が重なる。

 ……やっぱり魔物が襲撃の準備をしてたのか。


「あさみたちは今どこにいるんですか?」

「おそらく学校だろう」

「ということは、ここまで来るのに魔法少女に変身したとしても、10分ぐらいはかかりますよね」

「あぁ、そうだ」


 どうやって10分耐えるべきだ?

 魔法少女機関にはある程度マナ弾丸と銃が置いてあるとはいえ、大群となるとまともに相手にするのは不可能だぞ。

 ……俺が魔法少女に変身するしかないのか?

 そう考えていると、おっさんが話し出した。


「今のところ門番のところにいる警備員がある程度押しとどめているが、それも限界に近い、今はとにかく逃げるぞ!」


 ……

 …………

 ………………今必死に俺たちを守ってくれている警備員を見捨てるか………

 そんなこと……

 俺にできるわけないよなッ!!!


「おい!?宇佐戯!?」

「ちょっ、どこ行くんすか!?」

「宇佐戯君!?」


 俺は魔法少女機関の入口へと走り出し、マナゼリーを飲む。

 おっさん達は俺のことを追おうとしているが、俺のほうが足が速いらしく、どんどんと距離を離していった。


「見えた、あそこか!」


 俺は魔物の大群を見つけ、そこへと走る。

 その周囲には、必死に銃を撃ち対抗する警備員や、負傷した人を抱えて離れようとするもの、そしてすでに手遅れのように見える人もいた。


「ぎぃぃ……」


 その光景に思わず歯を食いしばる。

 もう少し早くこの可能性に気が付けていれば、こうはなっていなかったかもしれない。

 そんなもうすでに遅すぎることを考えながらも、今俺にできることをする。


「魔法少女になるのはまずいだろう、けど俺は変身しなくともこの状況を何とかできるはずだ!」


 俺はファイアボールを魔物へと放った。

 変身をしていない生身の状態で。


『GYA......!?』


 命中した魔物はそのままドロドロになって消えていく。

 しかしそれでもまだまだ大量の魔物がいる。


「行くぞ!」


 俺は左手に銃を握り、右手に刀を生成する。

 そして魔物の大群へと突撃した。


『GYAAA!!!』

「遅い!」


 魔物のかぎ爪による攻撃を飛行魔法で少し横にずれて躱す。

 そしてそのまま刀を突き刺し、そのまま思いっきり切り裂く。

 斬られた魔物はどろどろと消えていった。


「なんだこの状況!?」

「刀と銃の二刀流とかロマンあるっすね~」

「いや、宇佐戯君が魔物相手に戦ってることのほうが気にならない普通!?」


 どうやらおっさんたちがここまで追ってきたようで、この状況に驚きの声を上げている。

 本来なら何か反応を返したいが、今は魔物に集中する必要があるのでそれはできない。


「そこだ!」

『GYAA……!?』


 斧っぽいものを持った魔物の一撃を刀で弾き、隙をさらしたところにファイアボールを打ち込む。


「え、あいつ今魔法使わなかった?」

「使ってたっすね」

「使ってましたね」

「「「……どうゆうこと!?!?!?」」」


 おっさんたちがファイアボールを使った俺にかなりのリアクションをしている。

 今の状況だとじっくりとその光景を見れないのが残念だ。


「あ~もう、意味は分からんがとりあえず俺たちも銃で加勢するぞ!」

「わかったっす!けど井出さんはだめですからね!」

「えぇ、分かったわ!けど井出さんはクソエイムだからやめて頂戴ね!」


 その言葉で優愛さんと創さんが銃で加勢してくれるようになった。

 おかげで魔物の攻撃の勢いが若干下がり、俺の攻撃がしやすくなる。


「よし、このままなら十分やれる!」

『GYAA!!!』


 俺は魔物からの攻撃を対処し続け、隙を見せた魔物を倒すのを繰り返す。

 そうして10分ほどが経過し、ようやくあの声が聞こえてきた。


「何とか間に合った!」

「来たかあさみ!」


 ようやくあさみたちが到着したようで、俺のところに2人の魔法少女が降ってきた。

 多分急ぐために建物の屋根などを渡ってここまで来てくれたのだろう。


「って、なんで宇佐戯君がここで戦ってるの!?」

「ここで働いてた時にこいつらが来たからだよ!」

「あぁ!そっか!」

「いや明らかにおかしいでしょ!なんで納得してるのよ!?」


 俺の適当な返事になぜか納得したあさみへ、委員長がツッコみを入れる。


「なにがあったら宇佐戯君がこの魔物の大群に挑むことになるのよ!しかも割と善戦してたっぽいし!」

「いろいろとあったんだよ、いろいろと」

「なんなのよいろいろって!?」


 そういって委員長が俺に詰め寄ってくる。

 だが、その間にあさみが割って入ってきた。


「まぁまぁ、今はまず魔物を何とかしようよビオラちゃん」

「……はぁ、まぁそれはそうね、でもこれが終わったらきっちり話を聞かせてもらうからね!」

「うぇ……、まじか……」


 めんどくさそうなことが決まってしまったが、まぁ魔物と戦ってくれるなら良しとするか......


「行くよビオラちゃん!」

「了解!」


 あさみが号令を出しながら魔物に突撃し、委員長がそれに続く。

 このまま任せるのもあれだし俺も加勢しよう。


「はいそこ隙あり!」

『GYA!?』

「……当然のように宇佐戯君も参加するのね」


 あさみたちの参戦により魔物にかなりの隙ができている。

 そのおかげで俺も魔物を倒しやすくなった。


「いっくよ~、サンダー!」

「おぉ……」


 あさみが雷を生成し、次々と魔物に命中していく。

 大きなダメージが入った様子はないが、その代わりに魔物はしびれているのか動きが鈍くなっている。


「ヒメツバキがそう来るなら私も!」


 委員長が氷でできたハンマーを生成し、それを握りながらぐるぐると回転、そのままの魔物へと突撃して吹き飛ばしていく。


「なるほど、二人の協力技か」


 あさみが魔物を雷でしびれさせて動けないようにし、そこに委員長がハンマーで吹き飛ばす。

 一見するとあほっぽい攻撃だが、案外有用そうだ。


 この攻撃によってかなりの数の魔物を倒すことができ、そのままの勢いでなんとかすべての魔物を倒し切ることができた。


「ふぅ、なんとかおわったな……」

「あぁそうだな、というわけで会議室に行こうか」

「あ、はい」


 俺がやり切った感を出しているとおっさんに肩を掴まれた。

 ……逃げちゃダメかな?

小話

あさみの仲間の魔法少女であるはずのアネモネがいないのは風邪をひいて休んでいるため。


宇佐戯の秘密の一部がばれたのでポイント乞食します。ポイントください。

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