表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼノマギア  作者: ささみ
第2章 なぜ彼は魔法少女であれるのか
31/49

第30話 天童の魔法少女

 俺は拾った赤ちゃんを抱えながら家へと戻ってきた。


「帰ったぞ~」

「お帰り~……、何その赤ちゃん?」


 俺がリビングに入ると、どうやら千里が来ていたようで、赤ちゃんのことを聞かれてしまった。


「拾った」

「どゆこと?」


 うん、まぁ言ってて俺もよくわからん。

 なんで道端に赤ちゃんが落ちてるんだよ。


「え~と、とりあえず後で交番に行く?」

「まぁ、そうだな、多分親も探してると思うし……」


 と言いつつも、本当に親が探しているのかについては、少し疑問があるのだが。

 正直道端に赤ちゃんが捨てられるシチュエーションって、親が赤ちゃんを捨てて逃げたぐらいしか思いつかない。


 そんなことを考えていると再びリビングの扉が開いた。


「あれ、千里ちゃんも来てたのか……、え、何その赤ちゃん」

「まぁそういう反応になるわな」

「そうね」


 入ってきた思愛は千里のほうを見た後、俺のほうを見ようとして、それよりも赤ちゃんに目が行ったようだ。


「宇佐戯君が拾ってきたらしいのよ」

「この後交番に連れていくつもり」

「いや、そうなんだけどそうじゃねぇよ」


 ん?なんか思愛が驚いたのはまた別の理由っぽいぞ?

 赤ちゃんを見て、なんで赤ちゃんいるの以外の疑問に思うこと……あるか?


「宇佐戯に一応聞くが。こいつにマナゼリーって飲ませたか?」

「え?そんなわけないじゃん」


 ……え?

 思愛がそんな質問するってことは、もしかしてそういうこと?


「そいつからマナを感じる、多分魔法少女だぞ」

「まじで?」

「赤ちゃんでも魔法少女ってなれるものなの!?」


 赤ちゃんがマナを持っている、そう思えに言われた俺はマナ測定器をポケットから取り出して、赤ちゃんへと向ける。

 するとマナ測定器は当然のように反応を示した。

 どうやらマジでマナを持っているらしい。


「うぇ、本当に魔法少女じゃん」

「ってことは交番じゃなくて、魔法少女機関に連れて行ったほうがいいかしら?」

「……なんかさっきから微妙にずれた反応してない千里ちゃん?」


 赤ちゃんの魔法少女なんていたのか。

 というかなんで魔法少女が道端に落ちてるんだ?

 そんなことを考えていると赤ちゃんが突然光りだした。


「うぇ!?」


『Are you ready? Change→Orphen!!!』


 光が止むと、そこには灰色の髪をもった153cmぐらいの少女がいた。

 もちろん俺が抱えたままなため、お姫様抱っこの状態で。


「……なんだこの状況?」

「赤ちゃんが変身した状況じゃないかしら?」

「そうだけどそうじゃないだろ……」

「取りあえず降ろしてくれないかしら?」

「喋った!?」


 もともとは赤ちゃんだったはずなのに突然しゃべりだした。

 どうやら魔法少女になれば喋れるらしい。

 とりあえず俺は言われた通りに彼女を降ろした。


「さて、とりあえず自己紹介ね、私は魔法少女オルフェンよ」

「……まじか」


 オルフェンと言ったらあのマナ測定器を作った人じゃないか。

 それが赤ちゃんだった?

 まじで?


「どうやらいろいろ疑問があるようだけど、私も疑問があるのよ」

「え?」

「なんであなたが魔法少女に変身してるのよ」

「あ~」


 そういえば俺思いっきりあの赤ちゃんの時に目の前で変身してたな……

 ……マナゼリーのこと話すか?

 多分話しても、マナ測定器を作れる知能があるなら理解してくれる……よな?

 よし、話そう。


 俺はマナゼリーについてのことを簡単に話した。


「なるほどね、わかったわ、私もマナゼリーのこの効果は秘匿するべきだと思うし、魔法少女機関には話さないでおくわね」

「よかった……」


 どうやらマナゼリーの危険性を理解してくれたようだ。

 これで一安心だな。


「ただしその代わり私からお願いがあるの」

「……へ?」


 全く一安心じゃなかったようだ。

 なんだお願いって、怖いんだけど……


「そう難しいことじゃないわ、あなたに私のことを守ってほしいのよ」

「……どういうことだ?」

「簡単に説明するわね、私は今よくわからない魔法少女っぽいやつに狙われてるのよ」


 よくわからない魔法少女っぽいやつ……?

 ……それってもしかしてあの不審者のことか?


「そいつってアクセラとか名乗ってた?」

「あなたもあったことがあるの!?」

「まぁ、前に1回襲われただけだけど」


 どうやらあいつで合っているようだ。

 あいつがオルフェンを狙ってる……

 もしかしてあいつってペドフェリアなのか?


「なんか今とんでもないこと考えてないかしら?」

「いや、ただあいつって赤ちゃんに趣向がある変態なのかと思って」

「流石に違うと思うわよ……」


 なんだ、違うのか……


「多分私の存在が邪魔なんだと思うわ、マナ測定器とかいろいろなものを作ってたし、それが相手に伝わったんだと思う」

「なるほど……、ん?それだったらまず俺を狙わない?」


 俺はマナゼリーの制作者だ。

 マナ測定器が理由でオルフェンを狙うのであれば、同じように俺も狙うはずだ。

 だったら魔法少女ではないと思われるはずの俺のほうが、先に狙われるのではないだろうか。


「多分まだあなたのことがばれてないんだと思うわ」

「え?そうなの?」

「えぇ、あなたの情報はかなり厳重に保護されてるからね、私ですらマナゼリーが作られたってことしか知らされてないわ」

「そうだったのか……」


 なら俺が狙われてないのも納得がいく。

 納得できたし話を戻そう。


「それで、なんでオルフェンを守らないといけないんだっけ?」

「私は魔法少女ではあるけど普段は赤ちゃんだからよ」

「あ~……、マナがなくなって変身できなくなったら、逃げることすらできなくなるからってこと?」

「そうよ」


 なるほど、確かに守らないといけないわけだ。

 ……ん?

 けどそれだったら……


「なんで魔法少女機関に頼まないんだ?あそこのほうが魔法少女も何人かいるし安全だろ」

「あそこだと場所がバレバレなのよ」

「……あぁ、そういうことか」


 場所がばれると魔物の大軍を連れて攻め込まれる可能性が高いのか……

 ん?ってことはさっきのって……


「私の家はもうばれてるの、すでにさっき魔物の大軍が家に襲ってきてたのよ」

「まじか……」

「それから逃げるために変身したんだけど、そのせいでマナも切れて、魔物にも追いつかれたところでちょうどあなたが来たのよ」


 あぁ……

 それであんな道端に赤ちゃんがいてその目の前に魔物がいる状況だったのか。


「さて、これで私を守ってほしい理由はわかったかしら?」

「あぁ、理解した」

「それじゃあ私を守ってくれるのね?」

「……わかった」


 若干それとこれとは話は別じゃねとも思ったが、赤ちゃんを見捨てるのはあれなので仕方なく了承する。


「勝手に決めやがったな宇佐戯……、まぁお前のことだしいいんだけどさ」

「私は手伝えないから二人とも頑張ってね!」

「あれ、私も手伝うことになってる?」

「俺がやるなら思愛もやることになるに決まってるじゃん」

「えぇ……」


 俺たち友達だろ?

 という一番いやな巻き込み方で、思愛も強制的にオルフェンの護衛依頼を手伝わせることにした。


「さて、それじゃあこれで私のお願いの話も終わったし、これからよろしくお願いするわね」

「うん、それでまず何をすればいいんだ?」

「そうね……、とりあえず私のベビーベッドがほしいわね」

「……ベビーベッド?」

「そうよ、私もここに住むんだし必要じゃない、私は赤ちゃんなのよ?」

「……住むの!?」


 いや、まぁよくよく考えたら家があいつにばれてるらしいし、帰るわけにはいかないんだろうが……

 ......え?ほんとに?

 俺これから思愛だけじゃなくて、こいつまで養うことになるの?


「……千里さんもここに住んでくれませんか?さすがに2人も世話するのは俺一人だときついです」

「……ん?今私赤ちゃんと同列扱いされた?」

「……そうね、確かに大変そうだし私もここに住むわ、赤ちゃん2人は厳しいものね」

「まさかの赤ちゃん扱い!?」


 こうして俺と千里と赤ちゃんとほぼ赤ちゃんによる、よくわからない同居生活が始まった。

小話

マナが切れたはずのオルフェンが変身できているのは、こっそり宇佐戯が持っていたマナゼリーを飲んだため。


4人パーティーがそろったのでポイント乞食します。ポイントください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ