表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼノマギア  作者: ささみ
第2章 なぜ彼は魔法少女であれるのか
28/49

第27話 不審者

 思愛と千里が仲間になってから1か月が経過した。

 その間、魔物を根絶する方法を探していたものの特に糸口はつかめなかった。

 だが思愛は過去を捨てる必要がなくなったことでより魔法少女としての実力を上げ、千里は思愛が見つかったことで隈がなくなり容姿にも気を配れるようになった。

 決して進歩のなかった1か月ではなかっただろう。

 そう実感していたとき、あさみから電話が来た。


「もしもし宇佐戯君!?」

「どうしたんだそんな焦った声を出して?」

「清華ちゃんが目を覚ましたの!早く魔法少女機関に来て!」

「まじか!?わかった!今すぐ行く!」


 委員長は思愛に肺を貫通させられてから今までの間ずっと眠ったままの状態だった。

 それがようやく目を覚ましたらしい。

 俺は急いで身支度をして家を出ようとする。

 するとその姿を見た思愛が話しかけてきた。


「ん?急用か宇佐戯?」

「委員長が目を覚ましたらしくてね!」

「え、まじか、私も行って謝ったほうがいいか?」

「それに関してはしないほうがいいって結論が出たでしょうが、俺一人で行くからね」

「だよなぁ、行ってらっしゃい」


 思愛は今俺の家に居候として住み着いている。

 家族に売られてしまった思愛には帰る家などなく、俺か千里の家に住むことになったのだが、千里が仲間は近いほうがいいから俺の家の近所に引っ越すと言い出したため、千里が引っ越すまで俺の家に住むことになったのだ。


 また、思愛が委員長を殺しかけたことについて俺たちで話し合った結果、下手に思愛が委員長たちの前に出ると魔物の根絶という目的の達成が難しくなるだろうということになり、ひとまずは接触しないことになったのだ。


 家を出た俺は走って魔法少女機関へと向かい、魔法少女機関の医務室へと入った。


「委員長が起きたって本当!?」

「早かったね宇佐戯君!ほら、こっちだよ!」


 そうあさみから言われてついていくと、そこには上半身を起こしてこっちを向いた委員長の姿があった。


「よかった、本当に目が覚めたんだね委員長!」

「……いや誰?」


 委員長にしょっぱな言われたのはそんな言葉だった。

 それを聞いた俺は思わず両手と両膝を地面につけ落ち込んでしまった。


「そんな……、まさか委員長の記憶が……?」

「いや、普通にあなたの姿に見覚えがなかっただけよ、けどそのしぐさでわかったわ、あなた宇佐戯君よね?」

「委員長……!記憶が戻ったんだね……!」

「あなたそれわざとやってるでしょう!?」


 まぁ、正直委員長に俺のことが分からないのは当たり前である。

 だって今の俺の姿は、度重なるマナゼリーの使用により、身長167cmにまで縮んでいる。

 ついでにこれも副作用なのか、顔も若干中性的なものになっているのだ。

 しぐさでわかっただけ委員長は俺のことをよくわかっているといえるだろう。


「いやぁ、マナの研究してたら気づいたらこんな姿になってたよねぇ~」

「そんな軽く流していい問題なのかしらこれ?」

「宇佐戯君がいいならいいんじゃないかな?」


 まぁ魔法少女になる覚悟を決めた時点で、身長が縮むことについてはもうそういうものとして受け入れているので、特に気にしてはいない。


「まぁ、なんか若干かわいいし、この宇佐戯君もいいかもしれないわね」

「え?」

「あ!清華ちゃんもそう思うよね!ちょっとずつかわいくなってるっぽいんだよね!」

「え?......え!?」


 確かに若干中性的になってるかもとは思っていたが、かわいいといわれるほどとは思ってなかったぞ!?


「ま、まじで?」

「うん!結構かわいいと思うよ!」

「……いい感じにメイクして、服で身長をごまかせば、かわいい女の子の見た目にできると思うわ」

「え、えぇ……」


 多分今後もマナゼリーを使い続ければ、もっと身長が縮んで、もっとかわいくなるだろうし、なんかちょっとマナゼリーが使いにくくなった気がする……

 いや、使うけどね?使うんだけどさ?


「なんか今度はほんとにちょっと気分が落ち込んできたわ……」

「え、ご、ごめんね宇佐戯君」

「別に外見は変わっても宇佐戯君は宇佐戯君だし気にしなくてもいいと思うわよ」

「……確かにそれもそうだな?」


 委員長の言う通り俺の中身が変わるわけじゃないし、別に気にすることでもないかもしれない。

 うん、気にする必要なかったな!


「それで納得しちゃうところが宇佐戯君らしいわよね」

「あはは、うん、そうだね清華ちゃん」


 よ~し、そうと決まればこれからもどんどん魔法少女として活動するか!


「じゃあ委員長の無事も確認したし、俺はそろそろ帰るね」

「うん!じゃあね宇佐戯君!」

「私の退院は1週間後になるらしいから、その時にまた会いましょう」


 俺は別れの挨拶を告げて医務室から出た。

 帰り道を歩きながらふと思う。

 こういう時毎回魔物と出会うんだよなぁと


『GYAAAAA!!!』

「あっ……」


 やっぱり出たよ魔物……

 なんで毎回魔法少女機関の帰り道に現れるんだこいつら?


「気になるっちゃ気になるけど、まぁ今はとりあえずあいつの対処をするか……」


 俺はマナゼリーを飲んで、ディスクをヘッドホンに差し込む。


「変身」

『Are you ready? Change→XeA THE First Appearance!!!』


 俺の体が光に包まれ、光がやむと少女の姿が現れる。


「さて、今回はどんな魔物かな~」


 そうつぶやきながら、魔物の声がしたほうへ向かう。

 するとそこにはでかい人型のような魔物と、その方に乗った人間の姿があった。


「???なんで魔物の肩に人が乗ってんの?」


 あまりにも意味が分からない光景に思わずそう言ってしまった。

 魔物の肩に乗ろうと思った不審者も意味分からないが、なぜかその方に乗った人間を襲わない魔物にも疑問がある。

 い、意味が分からない。

 何がどうなってそうなったんだ?


「え~と、どういう状況ですかこれ?」

「む?」


 思わず俺はその方に乗った人物に話しかけた。

 そこで気が付いたのだが、どうやら肩に乗っているのは女性のようだった。

 肩に乗った人物が俺のほうを向く、するとまるで信じられないものを見たかのような表情で口を開いた。


「なっ、なぜ貴様がこんなところに!?いや、でも色が違う?じゃあ偽物か?何者だ貴様!?」

「それはこっちのセリフだよ」


 どうやらこの女性は俺の魔法少女の姿に何か見覚えがあるらしい。

 本当に何者なんだこいつは……


「えぇい!偽物だろうがその顔をしている奴に教える情報はないわ!」

「うお!?」


 なんかいきなりこっちに攻撃を仕掛けてきた!?

 これは……ソイルニードルか!?

 あの女性は俺に対してソイルニードルを射出し続けている。

 勿論俺もタダでその攻撃を受けるわけにはいかないため、刀を生成し、それでソイルニードルを弾きながらいったん距離を取った。


「マジでお前なんなんだ!?」

「お前に名乗るななどない!」

「話聞く気ねぇなこいつ!」


 魔法を使うってことは魔法少女なんだろうが、こんな見た目の魔法少女がいたか!?

 魔法少女機関のリストにはこんな見た目の奴いなかったはずだぞ!?

 そんなことを考えながらソイルニードルに対処し続ける。

 すると女性もこのままではらちが明かないと判断したのか、口を開いた。


「アゼラル君!君も加勢よろしく!」

『GYAAAAAAA!!!』


 そういうと魔物が俺に対して突撃してきた。

 流石にソイルニードルに対処しながら魔物とも戦うのはきついため、俺は飛行魔法によって空へと避難する。


「なっ、空中に逃げるなんて卑怯な!?」

「2対1のほうが卑怯だろ!」


 そんなことを叫びつつ、ソイルニードルへの対処を続けていると、背中の方から突然話しかけられた。


「おい無事かゼア!これどういう状況だ!?」

「シントリエか!この女性のほうは俺が対処するから魔物のほうを頼む!」

「わかんないけど分かった!気をつけろよ!」


 魔物の対処を駆けつけてくれたシントリエにお願いし、俺はあの女性のほうへと集中する。

 魔物に指示を与えたり、一体こいつは何なのだろうか……


「とりあえず倒せばわかるか……」

「ぐっ!」


 俺はあの女性へとソイルニードルを躱しながら接近し、斬りかかる。

 すると女性も土でできた剣のようなものを生成し、俺の斬撃を防いだ。


「固有魔法か」

「えぇ、これが私の泥土操作の魔法よ!」

「なんか汚そうな名前だな......」

「なんですって!?」


 なんか名前的に土と泥を操れる魔法っぽいな、となると下手に地面に着地すると、地面が泥になって動けなくなるとかあるかもしれない。

 ずっと飛行魔法で飛んでるべきだな。

 そう判断した俺は女性の周囲を飛び回りつつ、攻撃を仕掛けていく。


「あぁもう!なんなのよ!すばしっこいわね!」

「ははは、それは誉め言葉だなぁ!」


 この女性がイライラするほど、どんどん動きが単純になってくる。

 これは煽りまくったほうがいいタイプだな。

 そんなことを考えながら攻撃を続けていると、シントリエが走ってくるのが見えた。


「こっちは片付いたぞゼア!私も加勢する!」

「なっ、アゼラル君が負けたの!?」

「よ~し、ここからは2対1だな」


 シントリエはもう魔物を倒したようだ。

 俺たちのほうに状況が傾いてきたらしい。

 そう思っているとあの女性が口を開いた。


「ぐっ、ここは悔しいけど逃げるしかないわね、アゼラル君の仇は必ずこのアクセラが取るんだから覚えておきなさい!」

「なっ、待て!」


 突如としてアクセラと名乗った女性の後ろにどこかで見覚えのある謎の穴が発生した。

 そしてアクセラがその中へと入っていく。


「ぐ、あの穴の先がどうなってるかわからない以上、追うわけにはいかないか……」

「そうだな……」


 あの穴……、魔物が発生するときのやつに似ている気がする。

 魔物に命令したことといい、あのアクセラとかいうやつは何か魔物と関係があるのか?


「……ここで考えても仕方ないか、一旦家に戻って千里も一緒に話し合おう」

「そうだな、千里ちゃんとお前の二人ならなんかわかるだろ」

「ナチュラルに自分は参加しない宣言をするなよ……」

「え~……」


 そうシントリエにツッコみを入れ、千里に家に来てほしいことを電話しながら、家へと帰った。

今回の使用魔法紹介


魔法名

泥土操作

攻撃力B

スピードC

使いやすさB

射程距離C

汎用性A

魔力消費 1kgごとに10

概要

土や泥を操作する魔法、地面を泥にして動けなくさせることもでき、シンプルかつ厄介な攻撃ができる。

名前が微妙なこと以外は完ぺきな魔法である。


新章開幕したのでポイント乞食します。ポイントください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ