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ゼノマギア  作者: ささみ
第1章 なぜ彼は魔法少女となったのか
22/49

第21話 独善

前回の話で20ポイントぐらい増えてる......こわ

あ、いややっぱり怖くないですもっと欲しいです。

 あさみからの電話を受け、俺は魔法少女機関へと走り、医務室へと入った。


「委員長は!?」


 医務室の中にはあさみのほかにおっさんとアクアがいた。

 そしてベッドには横になって眠っている委員長の姿もあった。


「安心して宇佐戯君、何とか間に合ったから」

「よ、よかった~」


 俺は委員長にもう死ぬ心配はないことを知り、胸をなでおろした。

 これでもし死んでたらシントリエを本気でぶちのめしに行ってたかもしれない。


「宇佐戯から聞いてはいたが、まさか本当にシントリエが魔法少女を襲ってるなんてな……」

「それについては多分御影さんから聞いたことが何か関係してるとは思うんですけどね」

「あれか……」


 俺は御影さんから聞いた研究所に売られたという話を思い出す。

 あれは何とも胸悪い話だった……


「売られた?何の話ですか?」

「あぁ、あさみは知らないっけ、おっさん説明して」

「丸投げかよ、簡単に言うとな……」


 おっさんが御影さんとの話し合いの内容を軽くあさみに説明する。

 アクアも委員長のほうをずっと見ているが聞いてはいるようだ。


「そうですか、そんなことがシントリエに……」

「あぁ、そうだ」

『少し質問いいだろうか?』

「……あ、おっさんには聞こえてないのか、どんな質問?」


 俺は妖精の声が普通の人間には聞こえないことを思い出し、どんな質問なのかをアクアに聞く。

 普通の人間にも聞こえるようにはできるらしいが、おそらく委員長のことに夢中で忘れているのだろう。


『シントリエは明らかに我、というより妖精を標的にしていた、その説明ならどちらかといえば人間を恨むのではないか?』

「……たしかにそうだな、シントリエについてた妖精が何かやらかしたとか?」

『う~む、シントリエの妖精は確か……、パートナーが研究所に捕まってめんどくさくなってきたから帰ってきたとか言ってた気がするぞ』

「……それじゃね?」


 研究所につかまって近くにいる仲間が妖精だけになった状態の時に面倒だから帰るは普通にブちぎれると思うが……


『い、いや、確かにそうではあるが、だからと言って妖精全体を目の敵にはしないだろう?』

「まぁ、それはそう……なのか?」


 別にそれぐらいの理由でやるやつがいても別におかしくないと思うけどな。

 けどまぁ、違う可能性も全然あるし、もう少し考えてもいいだろう。


「でもこれ以外を考えるには情報が足りない気がするな......」

『確かにな、だがこれ以上の情報を知る手段はあるのか?』

「研究所の場所が分かればそこを調べられるんだけど……」


 魔法少女を買うことができるんだから、多分裏で相当強い力を持った研究所なんだろうけど......

 ん?いや待てよ?

 けどシントリエはそこから抜け出してるんだよな?

 ってことはその研究所はシントリエに壊滅状態にされた可能性が高いんじゃないか?

 ということは8年前にあった事件を調べれば、謎の研究所とかが出てくる可能性があるんじゃ......


 そう思った俺は早速スマホで調べてみる。


「あった……」


 ほぼ8年前にあった事件で、突如として大人数の負傷者が山から現れ、それを不審に思った複数の一般人によって研究所の存在が暴かれたらしい。

 その一般人が研究所に残ってた残党を全員ぶちのめしたとか、そのまま研究所を燃やしたとか、よくわからないことも書かれているが、その事件があったことは本当のようだ。

 この研究所の跡地に行けば何かわかるかもしれない。


『なんだ?何かわかったのか?』

「あ~……、まぁ言っちゃってもいいか、多分研究所の場所が分かった」

『なに、本当か?』

「うん、多分ここにあると思う」


 そういってアクアにもスマホの画面を見せる。

 アクアはそれを見て何やら考えているような表情をしている。


『う~む、我もそこに行きたいところではあるが、清華をここに置いておくわけにはいかぬよな......』

「まぁ、そうだろうね、俺とおっさんでここに調査しに行くよ」

「え?なんかよくわかんないけど、大変なことに勝手に俺が参加することになってない?」

「私も清華ちゃんをここで見てなきゃだから一緒にはいけないけど頑張ってね、宇佐戯君と井出さん!」

「やっぱり俺も行くことになってない?いや、行くけどさ?」


 そうして俺とおっさんは昨日と同じように一緒に捜査をすることになった。


 *  *  *


「車で行けるのはここまでだな、あとは歩きだ」

「マジか……」


 おっさんが目的地の研究所がある森の前で車を止め、そう言った。

 おっさんには車の中でどうしてここに向かう必要があるかの説明は終えているため、すでに一緒に向かうことには了承をもらっている。


「魔法少女委員会の権力でここに入る許可はすでにもらってあるからさっさと入るぞ」

「は~い」


 俺たちは森の中に入り、足元に気を付けながら慎重に足を進めていく。

 しばらくそれを続けていると、燃えた形跡のある施設にたどり着いた。


「ここがシントリエのいた研究所か......」

「ほら、早く入るぞおっさん」


 研究所にはところどころコケが生えており、夜に来ていたら肝試しになるところだったなと思いつつ、俺たちは中へと入っていった。


「うわぁ……、中もなかなか雰囲気あるなぁ」

「ザ・廃墟って感じだな」


 そんなことを話していると、壁に案内マップがあることを見つけ、それを見る。


「お、資料室あるじゃん」

「ここからまっすぐ行って中庭を超えた先か」


 俺はボロボロの案内マップに資料室があることを見つけ、その方向へと進んでいく。

 そして中庭に入って少し入ったところで、スタッと何かが降ってきたような音が背後でした。


「ん?」


 俺はその音が気になり振り向く。

 するとそこには倒れこむおっさんと、そのすぐ後ろに立つ黒髪の少女の姿があった。


「おっさん!?」

「安心しな、殺してはねぇから」


 俺は万が一の時のために、鞄の中に入った拳銃を掴みながら黒髪の少女に話しかける。


「一体何のつもりだ、いきなりおっさんを気絶させるとか......」

「ただ帰ってほしいだけだ、いいからそのおっさんを背負って帰るんだな」

「はぁ?」


 俺は言っている意味が分からずその少女をまじまじと見つめる。

 ......ん?

 見つめてみて気が付いたが、この少女に何か見覚えがあるような気がする。


「……そうだ、シントリエに似てるんだ」

「!?なんでお前が私の正体を知ってるんだ!」

「え?」


 この少女がシントリエ?

 確かに似てるとは思っていたけど本当に?

 シントリエは8年前に生まれた魔法少女、もう20歳は越えてるはずだ。

 それにしては明らかに幼い、12歳ぐらいの少女にしか見えないぞ?


「似ている気がしたから言っただけなんだけど……」

「はぁ!?くそ!じゃあ私が墓穴堀っただけかよ!」


 なんか反応的に本当にこの子がシントリエっぽいぞ......

 信じられないけど信じるしかなさそうだ。

 となれば今がシントリエに聞きたかったことを聞けるチャンスかもしれない。


「お前がシントリエだっていうなら教えてくれ、なんで魔法少女を襲ったんだ?」

「あ?それ知ってるってことはお前魔法少女の関係者か何かか?」

「一応魔法少女機関の研究者の一人だ。ここに職員証もある。」


 そういって俺の持っている職員証を見えるようにする。

 シントリエはどこかいぶかしげな表情で口を開いた。


「なんか怪しいが……、まぁいい、教えて困るようなことじゃないし教えてやる」

「おっ、マジで教えてくれんのか」


 こんな素直に質問に答えてくれるのが意外だったため、そんな言葉が出てしまった。

 教えて問題ない内容か……

 いったいどんな内容なんだ?


「わたしはな、魔法少女が多すぎると思うんだ」

「……は?」

「ここに来たってことは私がこの研究所に売られたことは知ってんだろ、私はここに来て妖精に裏切られたとき思ったんだよ、こんな思いするのは私だけでいいってな」

「……!?」


 それはあまりに独善的な話だった。

 彼女が言っていることは、要は自分だけが魔物を倒すために犠牲になるということだ。

 自分一人ですべての魔物を狩り続けるということだ。

 だがそんなことは不可能に決まっている。

 魔物は年々増え続けているし、そもそも魔法少女にはあの制限がある。


「そんなの無理に決まってるだろ!?マナの量という制限がある以上、魔法少女にずっとなることはできない!その制限がある以上魔物を倒し切る前にマナがなくなるに決まっている!」

「あぁ、それについては私も頭を悩ましていたんだ、けど少し前にその方法を見つけたんだよ」

「はぁ?」


 俺はその発言の意味が分からなかった。

 マナの制限がなくなる方法を見つけたっていうのか?


「話は変わるがお前マナを回復できるゼリーって知ってるか?」

「は?マナゼリーのことか?」

「へぇ、知ってんのか」

「そりゃぁ俺が作ったものだし......!?」


 そういうことか!

 シントリエはマナゼリーを使ってマナの制限をなくす気なんだ!

 となると俺がマナゼリーの作成者ってことを言ったのはまずかったんじゃないか!?


「なるほどな、あれを作ったのはお前だったのか、となると話は変わってきたな......」

「ど、どう話が変わったんだ?」

「もちろんお前をこのまま返すわけには行かなくなったってことだよ」

「ぐ、まぁそうなるよなぁ......」


 シントリエの目的にマナゼリーが必要である以上、作成者である俺は喉から手が出るほど欲しい人材であるはずだ。

 でも、マナゼリーはシントリエが欲しがっているものとはかけ離れている。

 だってマナゼリーを作るには、魔法少女からマナを採取する必要がある。

 つまり別の魔法少女のマナをもらっているだけに過ぎない。

 だから魔法少女がシントリエだけの状態では何の意味のない、無用の長物になるのだ。


「あれはお前が思っているほど便利なものじゃないぞ!?」

「それを決めるのは私だ、『変身』」

『Are you ready? Change→Sintrier!!!』

「ぐっ!?」


 シントリエの体が光に包まれ、魔法少女の姿になってしまった。

 これはまずい、間違いなくまずいぞ......


「さぁ、おとなしくしてれば私がお前を攻撃する必要もない、私に協力してもらうぞ」

「悪いけどそれは無理な相談だな!」


 そういって俺は銃をシントリエに向けて構える。


「銃?そんなものが魔法少女に効くわけ……いやまて、その銃にもマナの気配が!?」

「くらえ!」


 俺はシントリエが言い切る前に引き金を引く。

 しかし放たれた銃弾はシントリエの張ったバリアによってあっけなく弾かれてしまった。

 でも問題はない、これで時間稼ぎはできた。


「確かにその銃は魔法少女にも効くだろうが、たったそれだけで……な!?」


 シントリエは自ら張ったバリアによって、すぐに前に出ることはできない。

 そしてシントリエが前に出るまでの時間さえあれば、俺はマナゼリーを飲み切ることができた。


「変身!」

『Are you ready? ザザッ、ザーーー』


 その言葉とともに俺の体は光に包まれ白い魔法少女へと姿を変える。


「さぁ、リベンジマッチと行こうか」

「おいおい、お前があの時の魔法少女だったのかよ……」


 白と黒、対照的な魔法少女が再び向かい合った。

小話

ちなみにこれをやっている間もおっさんはシントリエの少し後ろで気絶している。


シントリエ戦のリベンジマッチになったのでポイント乞食します。ポイントください。

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