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第8話:「無敵の置物と狭すぎるテント」

残り4話

▲ 異世界・荒野のキャンプ地(夜・満天の星空)

のどかな夜。……なのだが、キャンプ地の中心に張られたヤメタロウの「1人用テント」の周囲だけ、空間が異常に歪んでエラーエフェクトの火花が散っている。

ヤメタロウ(伊間柄 八女太郎)は、前世の「深夜のサーバーダウン対応」のときのような冷徹な顔で、テントの入り口に立っていた。

ヤメタロウ:

「……なるほどな。ついに5人目のバグNPC(メガネ魔法使い)が加入してパーティーが最大枠に達した。その結果、システムがメモリ不足(オーバーフロー)を起こし、仕様書(ソースコード)の根幹がバグりやがった」

メガネ魔法使い(NPC):

「ええ、その通りです。バグNPCたちの『待機場所(マイホーム設定)の座標データ』がクラッシュし、すべてリーダーであるヤメタロウ様のテントの座標(1点)に重複して書き換わりました」

テントの隙間から、直立不動のままギチギチに詰まっているココ、メル、セナ、そしてギャル化したダークエルフの姿が見える。

リカちん(ギャル):

「え、マジ待って? ウチラ全員でヤメタロウのソロテントに無理やりチェックイン(重複)してんだけど〜! 満員電車すぎてマジ密なんだけど☆」

セナ(青髪女騎士):

「ヤメタロウ様! 24時間365日、至近距離での密着警護がシステム的に可能となりました! さあ、私の肉体の盾を(ギチギチ)……!」

ヤメタロウ:

「来るな狭い!! 1人用テントに美少女5人はご褒美じゃなくて物理的な圧殺(デスゲーム)なんだよ!! 前世で言えば、1つの低スペックサーバーに何万アクセスも集中してサーバーが熱暴走(パンク)してる状態だぞ!!」

ノア(白髪聖女):

「勇者様……私は座標固定バグのせいで空中浮遊したまま動けませんが、なぜか私の待機座標もテントの『天井の真上(空中2メートル)』に重複してフリーズしています……あ」

ノアがそう言った瞬間、テントの布地とノアの完全無敵オブジェクトが干渉し、世界に不穏なシステム警告音が鳴り響く。

【 警告:待機座標の重複による過負荷を検知。1/2の衣服崩壊バグが適用されました 】

【 対象:全員(一斉連鎖エラー・第2波) 】

テントの中から「ビリビリビリ!」と一斉に服が弾け飛ぶ音が響き渡る。

ダークエルフ:

「ギャハハ! テントの中で全員一斉に衣服全損キターー☆ 狭すぎて肌が密着してマジ沸いたんだけど☆」

ヤメタロウ:

「バカ野郎! 喜ぶな! 完全にクラスター感染(全損)じゃねえか!!」

▲ 荒野のキャンプ地・テント前(中)

その時、テントの異常なエラー魔力を検知して、荒野の凶悪なハイエナモンスター「ディザスター・ウルフ」の大群が、牙を剥いてテントを包囲するように現れた!

セナ:

「ヤメタロウ様、敵です! ですが私たちは全員全裸、かつテントの座標から1ミリも動けません!」

ヤメタロウ:

「動けないなら、動かさなきゃいいんだよ!! 前世のインフラエンジニアの『負荷分散(ロードバランシング)』の技術、今ここで見せてやる!!」

ヤメタロウは全く慌てず、チート画面を展開。テントに集中している5人の座標コードを高速でハッキングし、デバッグを開始する!

ヤメタロウ:

「5人の待機座標の『重複データ』を、俺のテントではなく、俺の周囲を自動周回ガードしているセナの『移動判定の座標(ルンバ軌道)』へ動的にマルチキャスト(同時配信)処理する!!」

ヤメタロウが空中のエンターキーを「ッターン!」と叩く!

パシィィィン、と綺麗な電子音が夜空に響く。

次の瞬間、1ミリも動けなかったはずの半裸のヒロインたちが、ヤメタロウの周囲10メートルを猛スピードで爆走しているセナの軌道上にフワッと転送され、「全員が半裸のまま、ヤメタロウを中心に時速100キロで円陣を組んで爆走する超高速メリーゴーランド」のような無敵の防衛陣形が完成した!

ディザスター・ウルフの大群が突撃してくるが、時速100キロで爆走する完全無敵(ノア)や物理ゴリラ(メル)の肉体の壁に次々と正面衝突し、勝手に弾け飛んで消滅していく!

ノア:

「ひゃあああ! 動けないはずの私が、セナちゃんに引っ張られて猛スピードで目が回るーーー!」

メル:

「遠心力が乗った物理ダマンテ(杖)。威力は通常の3倍です」(爆走しながらゴブリンをひっぱたく)

ヤメタロウ:

「よし! 負荷分散による完全自律防衛システム(メリーゴーランド)の構築完了だ! これで誰の手も汚さず(服は犠牲になったが)野営のセキュリティは完璧――」

画面【 警告:メモリの限界突破(オーバーフロー)を検知しました 】

ヤメタロウの目の前に、まばゆい金色に輝く大きなボタンがポップアップする。

【 現代の実家への帰還ボタン(ロック中:魔王城メインサーバーで解除可能) 】

ヤメタロウ:

「……ついにキタ、退職届(帰還ボタン)だ!! ロック解除には魔王城へのアクセスが必要か……面白い。お前ら、有能な上司の指揮のもと、これより魔王城への『デスマーチ(突撃)』を開始するぞ!!」

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