第7話:「バグを愛したダークエルフ」
▲ 異世界・謎のエルフの里(鬱蒼とした神秘的な森)
幻想的な光が差し込む美しい森。……なのだが、ヤメタロウ(伊間柄 八女太郎)は、前世の「新規取引先との条件交渉」のときのような冷徹なビジネススマイルで、一人のダークエルフの美少女と対峙している。
ヤメタロウの足元では、相変わらず影を踏んで楽しそうなココ。
そして頭上では、完全無敵だが「1歩も動けないバグ」のせいで木に引っかかって空中浮遊したまま、1/2の確率に負けてインナー姿になっている白髪のノアが佇んでいる。
ヤメタロウ:
「……なるほど。お前が4人目のバグNPC、ダークエルフの弓兵だな。事前にシステムログを監査させてもらったが、お前のAIルーチンには致命的なエラーがある。【エラーコード:バグ(バグデータ)を検知すると、好感度が強制的にMAXになる】」
ダークエルフ:
「……その通りよ、勇者。……あっ、でも待って……あなたのステータス画面、前世の社畜チートのせいでエラーログの塊じゃない……。あ、頭が……バグのせいで激しく胸がキュンキュンして……!」
ダークエルフの目の前に、システムメッセージの枠が「推しが尊い」と言わんばかりのピンク色のエフェクトで画面いっぱいにポップアップし始める。
ダークエルフ:
「ヤメタロウ……マジ尊み秀吉……! 結論から言うと結婚しよ? ウチ、ヤメタロウの不憫さにガチ恋なんだけど〜☆」
ヤメタロウ:
「待て待て待て!!! 口調がダークエルフのそれじゃねえだろ!! なんで中身がただのうざ可愛いギャル(リカちんの系譜)になってんだよ!!」
リカちん(ギャル):
「え〜? ウケる! このダークエルフちゃん、ウチと同族じゃん☆ ヤメタロウ、異世界での福利厚生(逆ナン)エグくてマジ羨おこなんだけど〜☆」
後ろから本物のギャル(リカちん)が乱入し、ダークエルフとハイタッチを決める。
ヤメタロウ:
「福利厚生なわけあるか! 前世のストーカー対策ガイドライン並みの緊急事態だ! ……だが、俺は有能なマネージャーだ。お前のその『バグによる狂った好感度(ストーカーAI)』、前世の『無理難題を言うクライアントの要望をシステム的にねじ曲げるノウハウ』で、完璧にパーティーの利益に転換してやる!!」
▲ エルフの里の防衛ライン(中)
その時、里を狙って凶悪な「魔導ゴーレム」の大群が地響きを立てて突進してくる!
セナ(青髪女騎士):
「ヤメタロウ様、敵です! 周回ガードを――」
ヤメタロウ:
「セナは回ってろ! メル、お前は杖で殴るな! ……よし、ダークエルフ、お前の弓の『エイム(自動照準)コード』を開く! お前のバグは好感度がMAXになると、すべての攻撃がヤメタロウの方向(自爆)に向かうクソ仕様だな?」
ダークエルフ:
「そうなの……! 矢を射ると、ヤメタロウへの愛(物理)のせいで、全部あなたにホーミング(追尾)しちゃうの……!(うるうる)」
ヤメタロウ:
「お前の愛、質量が重すぎるだろ!! だがな、そのホーミングの仕様……自動照準のターゲットの『親オブジェクト判定』を、俺ではなく、俺の目の前を爆走しているセナの鎧(盾)に一時的にリダイレクト(転送)処理する!!」
ヤメタロウが空中のキーを「ッターン!」と叩く!
ヤメタロウ:
「ダークエルフ、全弾発射だ!!」
ダークエルフ:
「愛の全弾発射(マジ尊い)ーーー!!」
ダークエルフが放った何百本もの魔導の矢が、恐ろしいスピードでヤメタロウを目掛けて飛んでくる。
しかし、ヤメタロウの数センチ手前で、矢の軌道がグニャリと直角に曲がり、ヤメタロウの周囲を時速100キロで高速周回ガードしていたセナの盾に次々と吸い込まれ、その反発エネルギーでゴーレムの大群を一網打尽に粉砕した!
セナ:
「おお……!? 全く動かずに、私の盾の周回軌道を利用して敵を殲滅した……!? さすがヤメタロウ様、天才的な陣形です!」
ヤメタロウ:
「ふぅ、これが社畜の『他部署への業務丸投げシステム』だ。これで4人目のバグNPCの確保完了、実家に一歩近づい――」
【 警告:魔導の矢の過剰摩擦により、衣服崩壊バグの1/2が適用されました 】
【 対象:ダークエルフ 】
ダークエルフ:
「きゃっ☆ 1/2引いちゃった☆ でも露出高めの姿でヤメタロウにアピールできてマジ結果オーライなんだけど〜☆」
リカちん:
「ダークエルフちゃん、初登場で脱げるとかマジ魅せ方わかってんじゃん☆ ヤメタロウ、2期の制作費(作画)爆上がりだね☆」
ヤメタロウ:
「だから1期で定時退社(完結)させるんだよーーー!! 頼むから全員まともな服を着てくれーーー!!」




