第11話:「最後の一斉デバッグ(ダマンテ)」
▲ 魔王城・最深部・メインサーバー室(中)
ツンデレ魔王を(精神的に)撃破し、ついに辿り着いた世界の中心。そこには、現代の巨大サーバーラックのような、青い光を放つ巨大なクリスタルが鎮座していた。
ヤメタロウ(伊間柄 八女太郎)が、その前で「現代帰還ボタン(退職届)」のロックを解除しようとしたその瞬間――。
部屋全体に真っ赤なアラートが鳴り響き、クリスタルから巨大な黒い影――暴走した裏ボス(セキュリティシステム)が姿を現す!
裏ボス:
『イレギュラー(バグコード)ヲ検知……全プレイヤーデータノ強制デリート(解雇)を開始スル……』
裏ボスが放った圧倒的なシステム干渉の波動により、ヤメタロウのチート画面のコードが次々と文字化けし、ヤメタロウは膝をつく。
ヤメタロウ:
「クソッ……! 世界のセキュリティシステムそのものが暴走してやがる……! ログが書き換えられて、俺のハッキング(デバッグ能力)が完全に封じられた……! ここまで来て、全員強制終了かよ……!」
ヤメタロウ、大ピンチ。だが、その時だった。
ココ:
「ありがとう、勇者様! 勇者様のおかげで、ココは世界の壁を越えられました!」(ヤメタロウの影を力強く踏みしめる)
セナ(青髪女騎士):
「ヤメタロウ様を現代(実家)へ帰すため……私たちは全員全裸になる覚悟など、とうの昔に完了しています!」(服が破れたインナー姿のまま、ヤメタロウの前に立ちはだかる)
リカちん(ギャル):
「マジそれ! ヤメタロウをここで残業させるとか、ウチラの推し活が許さないっつーの☆」
ノア(白髪聖女):
「勇者様! 私の『座標固定バグ』を、もう一度あなたのシステムに組み込んでください! 私は1歩も動けませんが、その代わり――絶対に誰も、私を突破できません!!」
ヤメタロウのハッキングは封じられた。だが、「これまでヤメタロウが手塩にかけてマネジメント(デバッグ)してきた、愛すべきバグNPCたちのエラーコード」そのものが、裏ボスのシステムと激しく競合を起こし、エラーの相殺(相殺)を始めたのだ
ヤメタロウ:
「お前たち……。……そうか。システムが封じられたなら、お前たちという名の『最高のバグ(部下)』を、有能な上司としてフル活用してやるだけだ!!」
ヤメタロウの目が、前世のデスマーチで何十人もの部下を率いて大逆転を起こしてきた「ガチのプロジェクトマネージャー」の輝きを取り戻す!
ヤメタロウ:
「ノア、お前の座標固定(完全無敵)を俺たちの最前線に配置! 盾として裏ボスの攻撃をすべてシャットアウトしろ! セナ、お前はそのノアの周りを高速ガード周回して、ヘイトをすべて引き受けろ! リカちん、お前は推し活うちわのバグで、裏ボスの防御バフを剥ぎ取れ(推し変しろ)!」
ノア・セナ・リカちん:
「「「了解!!!」」」
裏ボスの放つ即死級のビームがノア(動けない無敵の置物)の体に直撃するが、完全にノーダメージで弾け飛ぶ! セナがその周りを爆走ルンバのように回り、リカちんが「裏ボス、衣装マジダサいんだけど〜☆」とバフを剥ぎ取る!完璧なバグの連携陣形!
ヤメタロウ:
「よし、裏ボスのシステムコアが露出した! メル、お前へのMP回復薬の制限を今ここで全解除する! 衣服崩壊のコンプライアンスなんて知るか! 全力でぶっ放せぇぇぇ!!」
メル(ピンク髪):
「了解。最大出力。――極大魔術・『ダマンテ』」
メルの杖から、これまでの10倍以上の禍々しい極大エネルギーが放たれる。
【 警告:限界突破の過負荷により、衣服崩壊バグの1/2が連鎖適用されます 】
ヤメタロウ:
「1/2の賭け、この元社畜が100%の勝利へデバッグしてやるよ!! いけぇぇぇぇぇ!!!」
メルの放ったオリジナル呪文『ダマンテ』の爆光が、確率50%をすり抜けたセナやノア、リカちんの服をド派手に弾け飛ばしながら、裏ボスのコアへと真っ直ぐ突き刺さる!!




