第10話:「ツンデレ魔王のバグコンプライアンス」
▲ 魔王城・最深部・玉座の間(中)
禍々しい漆黒の柱が並び、不気味な紫の炎が揺らめく、まさに最終決戦の場。
巨大な玉座には、圧倒的な威厳を放つ魔王軍のトップ――魔王が、鋭い眼光でヤメタロウたちを見下ろしている。
……なのだが、ヤメタロウ(伊間柄 八女太郎)は、前世の「理不尽な大物クレーマーへの謝罪訪問」のときのような、完璧なビジネススマイル(死んだ魚の目)で名刺を差し出すような構えをしている。
ヤメタロウの足元には影を踏むココ。
ヤメタロウの周囲10メートルを猛スピードで往復ガードする半裸のセナ。
そして、魔王の威圧感を前に「魔王ちゃん、衣装マジ厨二病で沸いたわ〜☆」とスマホを向けるギャル・リカちん。
魔王:
「よくぞここまで来たな、人間の勇者よ。我が名は魔王。今日こそお前たちを根絶やしにし、この世界を絶望で満たしてやるわ!!」
魔王が立ち上がり、禍々しいオーラを放つ。……はずだった。
しかし、魔王が口を開いた瞬間、ヤメタロウのチート画面に大量のエラーログが出現し、魔王の頭上に表示される「出力テキスト(セリフ)」がバグでグニャリと書き換わる。
画面【 エラー:魔王の言語出力ログの文字コードが、ギャルゲーのテンプレートに誤変換されました 】
魔王:
「――べ、別にお前らのために待ってたわけじゃないんだからね! 勘違いしないでよね!!」
魔王:
「なっ、なんだと……!? 私は今、最大級の威嚇をしたはずだぞ! なぜ私の口からこんな、気恥ずかしい言葉が……!」(自分の口を塞いで赤面する魔王)
魔王:
「ふざけるな、次こそは塵にしてくれる! 覚悟しろ!!」
画面【 もう、いじわるっ! あんまり見つめられると、恥ずかしいじゃん……バカっ! 】
ヤメタロウ:
「ははーん、言語出力エンジンの文字化けバグだな。前世で『システムのバグのせいで、顧客への謝罪メールがすべて絵文字混じりのラブレターに変換されて送信された大事故』に比べたら、この程度のツンデレバグ、初歩的なエラー処理の範囲内だ!!」
ヤメタロウは全く慌てず、チート画面を展開。魔王の言語出力コードを高速でハッキングし、デバッグを開始する!
ヤメタロウ:
「魔王、お前のその『ツンデレ構文』は、魔王軍のコンプライアンス(威厳)を完全に破壊している。……だが、俺は有能なビジネスマンだ。お前のそのバグを逆手にとって、戦闘の『ヘイト(敵対心)計算式』を、精神攻撃によるデバフ(弱体化)として魔王自身にリバウンド(逆流)処理する!!」
ヤメタロウが空中のエンターキーを「ッターン!」と叩く!
【 エラー:ヘイトの逆流を検知 】
【 確率1/2:ランダムなメンバーの防具耐久値が全損(衣服崩壊)します 】
ヤメタロウ:
「知るか! これぞ社畜の『ロジックハラスメント(正論攻め)』だ!!」
パシィィィン、と世界に綺麗な電子音が響いた瞬間、魔王は「あ、あんたなんか大嫌いなんだからねっ!」と叫びながら、自身のバグセリフの精神的ダメージ(羞恥心)に耐えきれず、ガクッと膝をついて防御力がゼロになった!
魔王:
「ううっ……! 精神的コンプライアンスが……私の威厳が崩壊していく……! 勇者、なんて卑劣なデバッグを……!」
ノア(白髪聖女):
「勇者様ぁぁぁ! 魔王様の羞恥心の波動のせいで……今度は私とメガネ魔法使いちゃんの服がやっぱり1/2で弾け飛んで……最終決戦の玉座の間が……またしてもバカンス会場(全裸)にぃぃぃ(空中フリーズのまま固定)」
メガネ魔法使い(NPC):
「ハァ……これだから社畜のデバッグは巻き込みが多すぎるんですよ……(インナー姿でメガネをクイッ)」
リカちん:
「魔王ちゃんをツンデレでオトすとか、ヤメタロウの営業トークマジ神クオリティじゃん☆ 魔王城コンプリートで1期完結マジおめ〜☆」
ヤメタロウ:
「まだ終わってねえよ! ほらメル、防御力ゼロになった魔王のサーバー(玉座)に、お前の最大火力を叩き込め!!」
メル(ピンク髪):
「了解。物理ダマンテ(杖)、全力で行きます」(防御力ゼロの魔王に向かって釘バット風の杖をフルスイング)




