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第70話 運命の出会いの前に1

一段落し、ギルガンギルの塔へと帰還した俺達。


俺は帰還してすぐに保護した彼女に会おうとしたが、アルテミリスとモンスレアナに止められた。


色々と酷いダメージを受けている事。

男性には見せられない状況だという事。


魔力を抑えることが出来ていない今の俺では合わせられない。

そうはっきり言われた。



俺は焦っていたのかもしれない。

認識できないほどに。



※※※※※



そして数日が経過した。


帰還直後研究室に逃げ込んでいたアースノートは茜から色々と説教を食らったらしく、珍しく暫くおとなしくしていた。


俺が消したプロジェクターを密かに作り直しており、当然のように上映会を開いていた事がバレ、再度激怒されたことは言うまでもない。


「かわいいです。もう茜は天使なのでは?ああ、かわいい」


アルテミリスが若干壊れる事態になったが…

まあ、うん。


今回の事態を受けて、茜の重要性はさらに高まった。


アースノートと協議の結果。

変身や詠唱は不要となり。


(一応おれもお願いしたぞ?さすがに茜が不憫だ)


この世界でも認識出来る術式に変換され、問題なく発動できるように改変した。


ただ。

本当に恥ずかしながら行う方が効果は上がるのは紛れもない事実。

最悪の場合はまた変身できるらしい。


世界の調査も引き続き各神に指示を出し、俺は厳重に行うようお願いした。



※※※※※



「レアナ、彼女の様子はどうだ?」


今は俺の隠れ家でモンスレアナと対面している。


「相当心にダメージがあるようです。今は安定を施しておりますので眠っていますが…」

「強度は?」


「……申し訳ございません…特級です」

「っ!!!…そうか……すまない」


モンスレアナは目を見開き、驚いた表情で俺に問いかける。


「ノアーナ様のせいでは…彼女は何なのですか?」


俺はお気に入りの紅茶を飲み、ほっと息を吐きモンスレアナに告げる。


「ハイエルフと魔族のハーフらしい。100歳くらいだそうだ。まあ人間とすれば18歳くらいらしいがな」


モンスレアナは納得しないようだ。


まあ。

そういう事ではないことは――俺も承知している。


だが…


「とりあえず起きてからだ。彼女と話をしないと始まらない…ありがとう。調査を引き続き頼…!?」


モンスレアナが涙を流しながら俺に抱き着いてきた。

小刻みに震えている。


押し付けられる柔らかい感触。

儀式がよぎり、思わず顔に熱が集まる。


そして彼女は俺にキスをしてきた。

俺は受け入れた。


「ん…んん…はあ…」


彼女の瞳には悲しそうな色が宿っている…


「ノアーナ様は…」

「ん?」


「ノアーナ様は、わたくしたちをお捨てになりますか?」

「なっ!?…」


「どこか…私たちの知らない所へ……!?…すみません…戻ります」


そういってモンスレアナは転移していった。

少し冷めた紅茶から仄かに湯気が立ち上っていた。



※※※※※



俺は彼女、ネリファルース・ツワッド嬢が休んでいる客間を訪れた。


ほとんど利用のない客間は、リビングと寝室、バスルームにミニキッチンが設置されており、一応生活できるようには作られている。


俺の『聖言』で定期的に掃除は行っている。

快適に過ごせるようにはしてあった。


クイーンサイズの清潔そうなベッドで彼女は眠っていた。

時折苦しそうな寝言をつぶやき、涙を流したのか目じりはほんのり赤く色づいていた。


俺はベッドの横の椅子に座り、彼女の顔に視線を向ける。


サラサラな藍色の髪は驚くほど柔らかそうで。


きっと美しいであろう閉じられている眼には長いまつ毛が非常に整っている。

高くもすっと通った美しい鼻筋。


その下には嫌でも欲情を抱かせるような可愛らしく滑らかな唇。

髪から見える少し長い耳も非常にバランスがいい。


この世のものとは思えない美しい顔だ。


見ているだけで俺の鼓動は速さを増す。


モンスレアナやアルテミリスが世話をしてくれたのだろう。

今は清潔な服を身に着け、大きな傷も癒してくれたようだ。


ここに来たときは混乱していたと聞いた。

彼女は相当強いらしく、大暴れして抑えるのに苦労したそうだ。


ボロボロの服に体中には多くの痣。

刺し傷やひっかかれたような傷も多くあったそうだ。


取り敢えず貞操は守られたようだと聞いて、なぜか安心した。


(…俺はやっぱり――クズなのだろうな…)


こんな状況にもかかわらず。

先ほどのモンスレアナの柔らかい体や、唇の感触に、俺は興奮を覚えた。


彼女なりの決意のキスだったのだろう。

なのに俺は…


それに湧き上がる――知らない感情。

ネリファルース…間違いなく俺は過去に逢ったことはない。


でも…

存在値を落とし俺は悩むようになった。


だけど…


(…違う…そういうのじゃない――わからない…初めてだこんな感情…)


思わず天を見上げる。


「…まあ、悩めるだけ――“まし”かもしれないが……」


そんなことを独り言ち。

美しい彼女の顔を見続けるのだった。


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