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第61話 授与の儀式3

俺は一度会議室に戻り、皆に語り掛けた。


「俺は今、相当酷い事をしている自覚がある」


一様にざわつき始める。

茜とエリスラーナは顔を赤くしうつむく。


「だがひとつだけ言い訳をさせてほしい…情けないがな……存在値を落としたことが原因で、俺はいわば『幼児退行』に陥ったようだ。いや正確には『転生した直後の14歳の佐山光喜』に近い精神年齢になった、か」


落ち着かせるようにゆっくりと皆を見回す。

皆も真剣な目を俺に向けてくれている。


「何しろ数十万年だ。培った経験や紡いだ想いは膨大で、自覚するまでかなり寄り道をしたが…今回訪れるであろう危機に対し、あの頃の想いが沸き立ってきた」


「俺の大切な世界を、お前たちを守りたい。――原初の頃に願った強い想いがな」


俺は虚空で数度手を振るしぐさをし、皆の前に俺の好きな紅茶を出現させた。

芳醇な優しい香りが会議室を包む。


「旨いぞ。飲んでくれ」


皆は不思議そうな表情をしながら口をつけた。

表情がほころぶ。


「俺はずっと想いを実現するために…お前たちが美味しそうに飲むさまを見て『旨いんだろうな』と傍観するように、判断してきたんだ。自ら経験することなく…な」


カチャリ

ティーカップをソーサーに下す音が聞こえ、アルテミリスが俺に視線を向ける。


「私どもはあなた様に創造されています。思いが伝わってきておっしゃりたいことは朧気には分かります。ですが――要領を得ません」


「それが禁呪を成功させる条件の一つだからだ」

「「「っ!?」」」


「おまえたちはほぼ完ぺきな存在だ。俺の理想のために行動するように組んである。だが感情までは縛らなかった……意味がないからだ」


俺は自身の魔力を揺蕩らせ、漆黒を見せるように揺るがす。

そして想い――それを全開で解放した。


「むき出しの原初の想いと相互を想う、そんな揺らいだ状況下での接触。そして魔力の直接でなく間接的な譲渡――つまり『魔力を含んだ体液の交換』それが禁呪の流れだ」


頷く皆。

瞳の光が増す。


「俺の魔力は世界を滅ぼしうる力を秘めている。やすやすと渡すわけにはいかない」


沈黙。

俺の言葉を反芻しているのだろう。

頭の特に良いアースノートは一人、深くうなずいていた。


そんな様子を俺は。

紅茶に口をつけ『旨いと改めて実感』しながら静かに見ていた。



※※※※※



「これから起こりうるであろう事態には、絶対に感知する能力が必要だ。皆に感知出来る俺の欠片の魔力、いや茜の力を取り込んだ魔力を植え付け…」


「いや格好つけさせてくれ『授与の儀式』を続行したい」


「今更だが俺に経験はない。冷静を装っているがとても動揺しているんだ。美しく可愛いお前たちとそういうことをこれから行うのだから…童貞を舐めるなよ!?」


俺の独白に慌てふためいているモンスレアナが大きく息を吸い込み吐いて自身を落ち着かせるようにしながら問いかけてきた。


「ノアーナ様、あの、お恥ずかしながら。そ、その。…嬉しいです…ですが…なぜ?今なのですか、その…衰退で」


「茜のおかげだ」

「ここ最近の冒険の中で茜の真直ぐな俺への想いが、くだらない理論武装していた幼すぎるプライドを溶かしてくれたんだ。そして危機に直面したことで溢れてきた。お前たちに対する劣情の想いを、すべてを俺のモノにしたいと思う醜い欲望を」


「でもな…それを上回る温かい想いが、俺の背中を押してくれた。お前たちから感じる俺への想いだ」


俺は深く皆に頭を下げる。

感謝の想いを乗せて。


「確かにエリスとアグの権能のおかげで時間は稼げるだろう。だが今の俺は思春期突入間もないお花畑の脳を持つ隔絶した身体能力を持つ状態だ」


俺は目いっぱい肉欲に満ちた表情を浮かべ。


「正直に言おう、我慢の限界だ」


皆が驚愕で絶句する。

アースノートが何故かモジモジしながらハアハアしているが。


「もうくだらない倫理観は捨てるからな」

「覚悟しておけ」



※※※※※



授与の儀式は3日にわたり続いた。


俺の選んだ彼女たちは最高に可愛く美しく蠱惑的で妖艶で魅力的で。

お互いを想いやる暖かな強い想いで包まれ。


深い感動と天井知らずな魂を焦がすような快感の海に。

俺たちは包まれた。



※※※※※



紆余曲折あったものの。

無事に神々に俺の魔力が定着した。



◆◆


エリスラーナ

【種族】神

【保有色】(濃青・金):〔(漆黒・白銀)(new)〕

【存在値】24,328(up)/100,000

【固有スキル】『龍化』『権能(誕生・衰退)』〔『神眼』(new)〕



モンスレアナ

【種族】神

【保有色】(濃緑・金):〔(漆黒・白銀)(new)〕

【存在値】9,904(up)/100,000

【固有スキル】『覚醒』『権能(安定・混乱)』〔『神眼』(new)〕



アースノート

【種族】神

【保有色】(黄色・金):〔(漆黒・白銀)(new)〕

【存在値】5,629(up)/100,000

【固有スキル】『解析』『権能(発明・荒廃)』〔『神眼』(new)〕



アルテミリス

【種族】神

【保有色】(白・金):〔(漆黒・白銀)(new)〕

【存在値】11,926(up)/100,000

【固有スキル】『千里眼』『権能(真実・虚実)』〔『神眼』(new)〕



ダラスリニア

【種族】神

【保有色】(濃紫・金):〔(漆黒・白銀)(new)〕

【存在値】13,227(up)/100,000

【固有スキル】『極限召喚』『権能(静・動)』〔『神眼』(new)〕


◆◆



「さあ、始めようか。俺たちの愛する世界に蝕む悪意を消し去るために。時間はかかるだろうが俺たちには永遠とも取れる時間がある」


俺は全員を見渡す。

希望の灯る瞳、全員が大きく頷いた。


「皆信頼している。まずはキャルルートルンの再調査から始めよう。皆俺の力になってくれ。行くぞ」



この世界の最強、極帝の魔王。

そして茜、6柱の神々。


魔力の残滓を残し、キャルルートルンへと転移して行った。



最後の封印



――それは間もなく完遂される。


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