第59章 対峙
フレイザー兄妹は、「隠者」の魔王と対峙する。
三次試験が開始して、2日目。フレイザー兄妹は、常に一塊になって行動をとるように、魔物を倒していきます。
ソフィアが見つけたプレートらしき落とし物を拾って、先に進むように拾うと、ケントが言う。「ここら辺当たりは、魔物が多く出る。気を付けた方がいい」
ソフィアは、「そうね」と言い、フレートを拾い終えた。
フレイザー兄妹は、試験中は絶対に離れ離れにならないように進めるというのが、約束である。
ケントは、「一応、7日間生き残って、会場へ戻れば、何かが起こっていると言う証拠にもなる」と言い、ソフィアは、拾ったプレートを帽子に入れた。
しばらくして、「ソフィア、何かが来る。隠れろ」とケントが言う。何かの気配を感じたのか、恐ろしいことが起こり始めた。
フレイザー兄妹が、物陰に身を隠すと、恐ろしき魔物が彷徨っていた。
受験者の一人が魔物から逃げるように「何だこの化け物。俺の力が通じない」と、恐れていた。
その魔物は、タロットカード「隠者」の魔王オルテガだった。
オルテガは、「これはいいぞ。こいつを食えば……。ん? 何かの匂いがするぞ。隠れても無駄ぞ。姿をあらわすんじゃ」と、フレイザー兄妹の存在を察知した。
オルテガの言葉に応じたフレイザー兄妹は対峙する。
オルテガは、「何だ。ただの人間か」と、言うと、「何しにここに来たんだ?」とケントが言います。
「その言葉、格好悪くないな。食えるものを探しに来た。それと、小娘の帽子は目印じゃよ」と、オルテガが言います。ソフィアは、「何言っているのよ?」と、問いかける。
オルテガは、応じます。「お前等にいい事を教えてあげよう。あの三姉妹を殺し、屍を食べたのは、このワシじゃ。これまでに、30人は食った」
「何だって?」フレイザー兄妹は、驚きを隠せなかった。
オルテガの言う通り、リリア、カーラ、シーラの三姉妹は、オルテガと対峙し、戦ったが命を落としてしまった。
ケントは、「なんでこんなことをしたんだ? 何があっても、お前を倒す」と、怒りをあらわにします。
ソフィアは、「こんなひどいこと、私は絶対に許せない」と、攻めます。
フレイザー兄妹は、魔王の言葉が事実であることを受け入れることすら認めない。
オルテガは、ソフィアの猛攻を避け、「これまでに食べた人間は、いずれも良質な血肉だったぞ」と、言い張る。
ケントは、「狙いは、俺たちではない。お前だ! 逃げろ」と、受験者を、逃します。受験者は、「ひぃーっ! 今のうちに」と、駆け足で逃げます。
「お前らのせいで、獲物を食い損ねたではないか」と、悔しむオルテガであった。
フレイザー兄妹と「隠者」の魔王オルテガとの戦いが始まった。




