エピローグ
以前の日常が戻ってきた……とは違う。
「梨琴、おはよう」
学校の最寄り駅の日陰に立って待っていたら、声をかけられた。声の主は姫輝。
顔を上げて、挨拶を交わす。
「おはよう……って!?」
見上げた先に、見慣れぬ人が。いや、見慣れてはいるが、このパターンは今までにない。
姫輝の隣には、悠橙先輩も一緒にいた。
「梨琴ちゃん、おはよう」
あたしはにやけそうな顔を必死にこらえた。
「お、おはようございます。悠橙先輩も一緒なんてどうしたんですか?」
そう質問すると、悠橙先輩はいつものにこりではなく、にやりと笑った。
「俺と梨琴ちゃんの仲でしょ?」
からかわれているのがわかるので、澄まし顔で質問を返す。
「それはどういう仲ですか?」
ツンとした態度を取りつつも、目でチラチラと視線を向けて、嬉しい答えを期待してしまう。
「兄妹」
「……」
悪気はないと思う。いや、あたしの知っている悠橙先輩は、そんな悪意ある人ではない。じゃれているだけだろう。
それにしても『兄妹』とは……。せめて『同棲している恋人』とか。
自分で想像して、頬を染め身悶える。同棲は言い過ぎか。同居だね。
「……はぁ……、梨琴が何を想像しているか、なんとなく分かりますわ。お兄様、ほっといていきましょう」
姫輝が背を向け、学校へと足を向けた。悠橙先輩も苦笑いしながらあたしに視線を向ける。
置いて行かれそうになったあたしは、小走りに追いかけた。
「あ、ちょっと待ってよ! 突っ込みぐらい入れてよ!」
二人に追いつくと、三人並んで歩き、入れ替わりの時の思い出を語った。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
これで完結となります。
まあ、続編のアイデアは少しはあるのですが、それは機会がありましたら。
※本当に少しなので、アイデア量としては足りません。
完結なので感想を書いて頂けると嬉しいです。
『面白かったよ!』の一言だけでも(切実に)




