50話
窓からの朝日を浴びて、あたしは目を覚ました。
昨夜のことが気になって、眠りが浅かったせいかまだ眠い。
眠気まなこを擦りながら、階段を下りて洗面所へと向かう。
眠気を追い払うように、冷たい水で顔を洗っていると、背後から声をかけられた。
「おはよう」
冷たい水で顔を洗うよりも目が覚めた。
どきどきしながら振り返る。
「おはよう……」
ばれているなら「おはようございます」と言うべきだろうかと考えたが、口から絞り出すことはできなかった。
私の心配をよそに、悠橙先輩は笑顔である。いつも通りだ。
「どうやら大丈夫のようだ」と心の中で安堵しながら、タオルで顔を拭きつつ、洗面所を明け渡す。
洗濯カゴにタオルを投げ込んでから、朝食を食べるためにリビングへと向かった。
リビングでは、姫輝のご両親が朝食を食べていた。なぜか仕事着で。
「「おはよう」」
「おはよう」
二人に挨拶されてこちらも挨拶を返す。
朝食は既に席に置かれているので、自分の席に座る。
疑問に思ったことを尋ねてみる。
「なんでパパとママは仕事着なの? お盆休みじゃなかったっけ?」
「あ~、パパたちは、ちょっと仕事でトラブルが起きて、休みではなくなってしまったんだよ。だから、旅行は中止かな。まあ、悠橙も姫輝ももう高校生だし、行きたければ悠橙と姫輝の二人で行ってもいいけどね」
残念そうに苦笑いするパパ。可哀そうに……。
悠橙先輩と二人で旅行とか、まるで新婚旅行ではないか!
ちょっと照れ臭い。
いや、照れている場合ではない!
梨琴である姫輝を連れて行って、悠橙先輩と仲良くさせなければ!
ダメ元で聞いてみる。
「一緒に行きたい友達もいるんだけど、三人でいいかな?」
「いいわよ。じゃあ、キャンセルするのは一人分だけでいいわね」
三人で話していたところに悠橙先輩が席につきながら加わる。
「一緒に行きたい友達って、ひょっとして梨琴ちゃん?」
「うん、そう」
「そっか、楽しみだね」
(楽しみ? 楽しみ? 楽しみ?)
嬉しいことを言われて、心の声が段々とでかくなっていった。口から洩れない程度に。
朝食を終えて、両親を見送る。パパの背中に哀愁が漂っているのは気のせいではないであろう。
悠橙先輩と食器を片付けながら、旅行の話をする。
「に~に、今日って時間取れる? 梨琴を呼んで……」
そこまで口にしておいて、慌ててお口チャックした。まあ、ここまで口に出してしまうと当然聞かれている訳で……。
「ああ、梨琴ちゃんとも旅行の話をしないとだね」
爽やかな笑顔。その笑顔が今はきつい。何がきついかって?
『姫輝となっているあたしが、姫輝の家族旅行のことを全く知らなくて、ボロが出るからだよ!』
ヤバいと目を泳がせながら答える。
「あ~、うん。……梨琴とちょっと遊んでから家に連れてくるよ……」
「うん、わかった」
遠回しに「ちょっと待ってろ」みたいな感じになってしまったが、嫌な顔一つせず笑顔で神対応な悠橙先輩は流石あたしが惚れただけある。
自室に戻り、姫輝に連絡を入れる。
『また迂闊なことを……』
「……」
『また』とは?
とりあえず、急を要するのでまあいい。
これから緊急会議のため、カフェで待ち合わせることになった。
いつも読んで頂きありがとうございます。
悠橙先輩が、いつも同じ対応しかできていないことに気づきました(汗)。
『笑顔』
いつも『笑顔』
なにかと『笑顔』
作者の語彙力の無さを感じました……。
言い訳をすると、持病の治療で作者はメタ認知というものを勉強しました。
その時に気づいたことは、感情は良い感情と悪い感情だと、悪い感情の存在が多いということです。
なので、仕方がない……と思いたい……です。
キャラクターの深堀?が必要なのかもしれませんね。
私の作品は、主人公と主人公を支えるキャラ以外の扱いがひどいという感じがしてきました。
この作品に限らず、他の作品でも。
もう少し、愛情を注いで上げれるようになったらなと思います。
こんな作者ですが、応援や感想を頂けると嬉しいです。




