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入れ替わりで激やば!  作者: 藤谷 葵
第五章:好きな人と夏祭りとかヤバい

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44話

 納得のいかない表情をした姫輝と別れ、帰路につく。


「……ただいま……」


 玄関のドアを開けると、去っていた羞恥心が帰ってきた。ちょっと恥ずかしい。

 いや、恥ずかしい思いをしたのは実質、姫輝なんだけど、見た目があたしだからね……。

 リビングまで気配を消すように進むが、悠橙先輩の姿は見えない。ちょっとほっとした。


 階段を上り、悠橙先輩の部屋の前に立つ。

 ごくりと生唾を飲み、覚悟を決めてドアをノックした。


「はい、どうぞ」


 部屋の中から、悠橙先輩の声が聞こえてきた。先ほどのことは何もなかったかのように。あたしは安堵の息を吐いて、部屋のドアを開ける。


 どうやら悠橙先輩は勉強をしていたらしい。まあ、姫輝にも勉強を教えられるから頭がいいんだろうな。努力家だね。そんな素敵な人と再認識すると、胸がトクンと跳ねあがった。


「あの……に~に! お願いがあるんだけど!」


 勉強していた手を止め、椅子ごとくるりと振り返る。勉強の邪魔をしてすんません。


「何?」


 純粋無垢とも言えるような笑顔で聞いてきた。うっ! 眩しい。あたしの心が汚れて見える。だが、お願いはする!


「えっとね……今度、花火大会に行かない?」

「花火大会? いいよ。二人で行こうか」


 あたしは慌てて補足する。いや、二人でもいいけど、計画的には二人では意味がない。


「ひ……梨琴と三人で行きたいんだけど」

「梨琴ちゃん? さっきの子? うん、いいよ」


(『梨琴ちゃん』だって!)


 脳内で悶えるあたし。だが、表情には出さない。大概あたしも面の皮が厚い。

 せっかくなので確認をする。


「梨琴の名前を憶えているの?」

「? え、うんまあ。姫輝とどことなく似ていて、可愛い子だよね」


 ちょっと姫輝にイラっとした。姫輝が褒められた気分だ。

 いや、可愛い子ということは外面が可愛いという意味かもしれん。ワンチャン、あたしに惚れる可能性も否定できない。


 あたしは先ほど、レストランで調べた花火情報をスマホで見せる。


「この日だけど大丈夫?」


 スマホを見せると、覗き込んでくる悠橙先輩。おでことおでこがくっつきそうで恥ずかしい。顔が火照ってくる。いやでも、もっとくっついてくれ。


 自分からはくっつけることができず、悠橙先輩はスマホを確認した後、離れてしまった。チッ。


「うん、大丈夫だよ」

「じゃあ、そういうことで! 悠……じゃなくて、に~にも浴衣でお願いね。あたしたちも浴衣を着ていくから」

「ああ、わかったよ」


 心の中で「悠橙先輩の浴衣姿が見れる」とガッツポーズをした。

いつも読んで頂きありがとうございます。


初稿が完成しているので、毎日投稿できるかとタカを括っていたら、体調崩しました。

久しぶりの投稿です。

今まで、『推敲』という作業をせずに投稿していました。

この作品のかなり途中から推敲を始めたら、作品の質が少し上がったような気がしております。

※当者比


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― 新着の感想 ―
いつも楽しく拝読させて頂いています。 途中から作品の質が落ちた様に感じることがあったので 推敲作業が良かったのだと思います。 ※当者比 … クスッと笑わせてもらいました。
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