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入れ替わりで激やば!  作者: 藤谷 葵
第四章:仲良しになってヤバい

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39話

 大室山の頂上の売店。

 そこでもお土産探しをした。

 行く先々でお土産を見ないと、その後は二度と寄れないかもしれないからである。


 あたしはお土産とにらめっこをしている。


(むむむっ?)


 説明を見ると、『貴重な大室山の土でできたキャラクター』と書いてある。

 その本体は、土を固めて手のひらに乗る小さな大室山に見立てている。そして、顔がある。


(可愛いな~。これ買おうかな)


 そこで迷う。自分用か、姫輝用か。


(テディベアは姫輝の部屋に飾るように買ったから、これは梨琴の部屋に置く用かな?)


 そんなわけで、これは中身姫輝の梨琴用のお土産とすることにした。


 みんながお土産を見終わると、リフトに乗って下ることにした。今度はじゃんけんで決めることになった。

 結果……恵野さんと乗ることになった。


 リフトで下る。リフトは上るよりも下る方が怖い。なぜなら下の方ががっつりと見えてしまうからである。

 調子に乗って「きゃ~」とか悲鳴をあげようかと思ったが、隣の人を見て、冷静になる。いや、正確に言うとテンションが駄々下がりになった。


(お菓子食べてる……)


 黙々と食べる恵野さん。その様は、まるでハムスターのようである。

 あたしは視線を前方に向ける。和気あいあいとしている比那田さんと陶原さんが羨ましい。

 なので、話しかけてみることにした。


「えっと……恵野さんはなんでいつも食べているの?」

「食べるのが好きだから」

「そう……」


 会話が終わった。

 この人とは話題が膨らまない。食べるのが好きなら、東京で食べていればよかったのではないか? いや、ご当地でしか食べれない物を食べに来たのか?

 リフトに乗っている時間が、東京から伊豆高原までの道程よりも、長い時間に感じた。いや、それは大袈裟か。


 麓に着くと、先に降りた二人が手を振って、売店へと向かっていく。あたしたちも降りて、あとからちょこちょこと追いかける。

 先に降りた二人は、ソフトクリームを買っていた。それを見た恵野さんは、あたしを置いて、すたすたとソフトクリームを注文している。恵野さんの相手は比那田さんと陶原さんしか無理だ……。


 そんな結論に至りつつ、あたしもソフトクリームを買い、四人で食べた。

 ソフトクリームを片手に、大室山そばのバス停に向かい、時間を確認する。


「ちょっと待つぐらいかな?」


 陶原さんがスマホを取り出し、時間を見てくれた。

 バスを待つ間、あたしたちは四人並んで、ソフトクリームを懸命に食べる。何しろ日差しが暑い。ソフトクリームがどんどん溶けていく。

 食べ終わる頃に、ちょうどバスが来た。


 伊豆ぐらんぱる公園に辿り着いて周回を始める。

 まずは予定通りに船型立体迷路をやることにした。


 二手に分かれて勝負することになった。負けた方がランチの時に飲み物をおごるという。

 これは比那田さんには申し訳ないが、できれば陶原さんか恵野さんと組みたい。

 陶原さんは運動神経は普通位だし、恵野さんは食べ物が関われば強そうである。


 じゃんけんの結果はと言うと……あたしと比那田さんがペアでした。

 負け確だが、姫輝ならば諦めないであろう。あたしと比那田さんは立体迷路を必死に縦横無尽に移動して、キーワードを集めていった。

 結果はなんと! あたしと比那田さんが勝ちました!

 諦めないことは大事だね。運でなんとかなったわ。


 伊豆ぐらんぱる公園内の海賊レストランでランチを食べる。

 もちろん、勝者のあたしたちは、ドリンクを奢ってもらった。

 お店を出る時、こっそりと陶原さんに聞いてみた。


「恵野さん、機嫌悪くない?」

「そんなことないよ。みんなと一緒で楽しそうにしているよ」


 楽しそう? あれで?

 恵野さんは本当に不思議ちゃんである。そして、そんな恵野さんを理解できている陶原さんもある意味不思議ちゃんである。


 食事を終えると、伊豆シャボテン公園へと向かう。


 伊豆シャボテン公園では、ふれあい体験で、ミーアキャットやカピバラと触れ合った。


「カピバラって言うと、温泉に浸かりながら頭の上にタオルを乗せているイメージがあるよね~」


 あたしがそんなことを呟くと、くすくすと他のメンバーに笑われた。一名様は相変わらず口に何かを頬張っているので、反応はない。


「雉子島さんがこんな面白い人なら、もっと早く仲良くなっていればよかったです」


 そんなことを口にする比那田さん。陶原さんも腕を組み目を閉じ、頷いている。


(いや……中の人が違うんだが……)


 本当のことを話すべきなのか悩む。このメンバーと話をするようになって日は浅いが、口は固いと思う。特に恵野さんなんて、常に口の中に頬張っているから、情報漏洩の危険が一番ないような気がする。

 だが、念のために言うわけにはいかない。

 仲良くしてくれている三人を、騙しているようで申し訳ない気分になった。


 伊豆シャボテン公園の後は、一碧湖へと足を延ばした。

 一碧湖の遊歩道は約四キロメートルあり、そこを散歩した。

 空は青々としており、その青さが水面にも反射して、とても綺麗である。


 その思い出をみんなで撮影して、保養所へと帰った。

いつも読んで頂きありがとうございます。


このシーンは作者が実際に体験したことと、資料を見ただけのものがあります。

お判りいただけるでしょうか?

わからなければ、上手く書けたのだと思います。

いや、逆に下手でどれもおかしいということもあり得るのかな?(汗)


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― 新着の感想 ―
いつも楽しく拝読させて頂いています。 人にやるお土産が自分のよりもショボイってどうかと思う(笑) こういう名所が出てくるのは良いですね。 旅行を楽しんでいる気分になれます♪ まさかのペアで勝て…
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