34話
テディベアミュージアムを見学し、売店でぬいぐるみを見つける。
あたしは、テディベアのぬいぐるみを手に取り、じっと見つめる。
(これなんか姫輝の部屋に飾ったら似合いそう)
そう思ったあたしは悩む。
勝手に部屋の装飾を増やしていいものだろうか……。
そこで閃く。
(これを買って姫輝にプレゼントすれば、入れ替わりが戻った後に、あたしの物にできるじゃん!)
そんなあくどいことが浮かんだが、頭をぶんぶんと振り回す。
(今、あたしが持っているのは姫輝のお小遣いだ。姫輝の物であるべきだ)
あたしは『姫輝』として、自分用にお土産として、テディベアのぬいぐるみを買うことにした。
三千円弱程度のぬいぐるみの大きさなら、姫輝の部屋に飾っても、そんなに邪魔にはならないであろう。
お会計をして、他のメンバーの様子を確認する。
恵野さんの姿だけが見つからない。
「恵野さんは?」
比那田さんと陶原さんは苦笑いしている。
「一人で先にティールームに行くと言ってました」
(……凄い食欲モンスターだな~)
二人も会計を終えて、恵野さんの所へと向かう。
ちなみに比那田さんは、あたしのテディベアのぬいぐるみを見て、買うことを決めた。
陶原さんはというと、比那田さんがテディベアのぬいぐるみを買ったことで、自分も買うことを決めたように見える。気のせいかもしれないが。
恵野さんと合流すると、メニューを見て、飲み物だけを注文する。
恵野さんの食べているものをメニューで確認すると、『デカプディング』と書いてある。
駅弁でお腹いっぱいになっているあたしは、胸やけがしてきそうである。
他の二人は見慣れた光景らしいので、何も感じないらしい。
しばらくだべっていたら、チェックインできる時間が近づいてきた。
「そろそろ駅のコインロッカーで荷物を回収して、保養所に向かいましょうか」
あたしたちはテディベアミュージアムを出て駅に向かい、コインロッカーから荷物を回収する。そして、少しバスを待ち、保養所へと向かった。
バスの中。
バス待ちの時にじゃんけんで決めた席順。
勝利をして窓際を確保したあたしは、外をぼーっと眺める。
東京都は違う、癒される緑色の景色が流れていく。
時折、『このお店はもうやっていないのかな?』というような、寂しげなお店もあるが、これも景色の一環である。
やがて、大室山近辺のバス停で、バスから降りた。
「あれが大室山? なんか近いし、予定を変えて今すぐにでもいけそうだね?」
あたしの発言に、比那田さんが反応する。
「いけなくもないでしょうけど、予定通り、明日にでもゆっくりと周りましょう」
陶原さんも頷いている。恵野さんはと言うと、じっと大室山の方を見ている。あたしも慣れてきた。『恵野さんは大室山で食べるものに想いを馳せているのだろうな~』って。
あたしたちはバス停から、徒歩で保養所へと向かった。
チェックインの時間から少し遅れて保養所で受付をした。館内をうろついている他のお客さんと思われる人がいるので、どうやら一番乗りではないらしい。いや、連泊か?
どうでもいい謎に包まれていると、ルームキーを受け取った比那田さんが、声をかけてきた。
「さあ、部屋に行きましょう」
部屋に向かい、荷物を置いて一息ついた。
いつも読んで頂きありがとうございます。
久しぶりの更新です。
今年(2026年)の4月から家族の生活に変化が発生して、私のリズムが狂ってしまったことと、体調不良が色々発生して、執筆が遅延しております。
今日(7月1日)、久しぶりに執筆をしました。
こんな私が完結できるように応援して頂けたらと思います。
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