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入れ替わりで激やば!  作者: 藤谷 葵
第四章:仲良しになってヤバい

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31話

 そして翌日。

 指定されたレストランに訪れる。梨琴としては少しお高めで、今まで来たことないような場違いな場所である。

 自動ドアが開くと店員の「いらっしゃいませ」の挨拶に、ちょっと怯んでしまう。二組と五組の金銭的格差を感じる。

 びびりながら、『早く合流したい』という思いで、きょろきょろと辺りを見回す。すると、比那田さんが満面の笑顔で手を振っている。こちらも軽く手を振り返して、比那田さんたちのいるテーブルに向かう。


(なんか比那田さんって姫輝のことをライバルって言ってるけど、どちらかというと『仲良くしたい人』って感じなんだよね~)


 内心でそんなことを思いながら、合流する。


「お待たせしました。みなさん、早いですわね?」


 なんてことを姫輝口調で話しかけた。でも、あたしからするとこの口調は比那田さんと被っている気がしないでもない。比那田さんはお嬢様なのか、それとも姫輝に憧れて真似をしているのか。まあ、別に悪意はないだろうからいいとするか。


 比那田さんが二人掛けのソファーから、少し奥に詰めた。あたしは比那田さんの隣に座り、恵野さんと陶原さんに視線を向ける。


(なるほど……姫輝の描いた似顔絵通りだ)


 感心していると、向かいに座っている陶原さんが声をかけてきた。


「雉子島さんも飲み物でも頼んで下さい」


 そういうとメニューを手渡してくれた。

 恵野さんはというと、無言でひたすらサンドイッチを食べている。

 比那田さんと陶原さんのテーブルの前をちらりと見ると、飲み物だけが置いてある。

 食べ物も頼むかどうか悩んでいると、比那田さんがあたしの見ているメニューに顔を出してきた。


「雉子島さんは何を食べるか決まりました?」


 そう言われて、慌てて何を食べようかと、メニューのページをぺらぺらとめくる。


「オムライスにしようかな?」


 比那田さんに問われたせいか、疑問形になってしまった。

 あたしの注文が決まると、比那田さんが呼び鈴を押した。

 近くの店員さんが、すぐさま寄ってきた。


「ご注文は?」


 店員さんに注文をする。


「オムライスをお願いします」

「同じものをもう一つ」

「私はカルボナーラで」

「ハンバーグセットを一つ」


 比那田さんがあたしと同じものを注文した。陶原さんはカルボナーラで、恵野さんはハンバーグ……って恵野さん! 今、サンドイッチを食べてるじゃん!


 店員さんが去った後、恵野さんに視線を向けると、うさぎがレタスの葉っぱでも食べるかのように、黙々と食べている。


「それじゃあ、早速、旅行会議をしましょう。どこに行きましょうか?」


 比那田さんが笑顔で手を合わせる。


「やっぱり夏と言ったら海とか?」


 陶原さんが挙手して答える。


「伊豆高原でしたら保養所はありますね。ただ、ちょっと海は遠いかもしれないですね」


 比那田さんがメモ帳を見ながら、返事を返した。


「あ、あたし……じゃなくて、私は伊豆高原がいいですわ」


 正直、海に行くのは姫輝の許可が必要な気がした。姫輝の肌が白いので、焼いてしまって後で怒られるという展開は避けたい。

 事前に姫輝に確認をしなかったので、怒られそうな行いは慎まなければならない。


「そうですか? では、そうしましょうか!」


 比那田さんがあたしの手を握り、目を輝かせている。本当に自称ライバルじゃなくて、仲良くなりたいだけでしょ?

 なんか比那田さんが可愛らしく見えてきた。そんな比那田さんを母親のように陶原さんは、にこにこと見守っている。


「他の候補はないの?」


 あたしが質問すると、比那田さんは「後は箱根くらいですかね? 私たちのお金の範囲でいけるとしたら」と答え、それに陶原さんも同意見のようで頷いている。


 そして、注文した料理が届き、各自食べながら旅行会議を続ける。


 そこでふと思う。


「恵野さんの意見は聞かなくていいの?」

「……いいの」


 恵野さんはその一言だけ呟くと、またひたすら食べ続ける。


(よくわからん子だな……)


 本人がいいというので、とりあえず三人で話を進める。器用に食べながらスマホを操作して伊豆高原近辺を調べるという感じである。

 ある程度決まったところで旅行会議を終えた。


 余談ではあるが、恵野さんが食べたのは、サンドイッチ、ハンバーグ、グラタン、ピザである。姫輝ノートにこんなフードファイターのような情報はなかった。

 姫輝が他のクラスメイトと仲良くせずにぼっちでいることを想像してしまう。


(少しは姫輝にクラスメイトと仲良くなる機会を作っておいてあげるかな)


 そして、あたしは帰路についた。

いつも読んで頂きありがとうございます。


少しずつ書き進めております。

他の作品も進めたいのですが、この作品を最優先で書いております。

理由は「この作品が一番早く完結させることができそうだから!」です。

「最後まで書き終わった!」という達成感が欲しいのですよ……。

並行作業だと、達成感を得るまでが長いですからね。


梨琴がクラスメイトと仲良くし始めました。

勝手なことをして、姫輝に怒られないといいのですが。


こんな私が完結できるように応援して頂けたらと思います。

お気軽に感想や応援コメントを頂けると嬉しいです。ちょっとした一言の応援でも!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく拝読させて頂いています。 比那田さんって仲良くなりたいだけですよね(笑) ツンデレデレだなぁ(笑) 陶原さんは保護者みたいな感じかなぁ(笑) 恵野さんは痩せの大食いで燃費の悪い外車…
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