28話
※姫輝視点
に~にが去っていった。
(久しぶりに、に~にに会えて嬉しいですわ!)
だが、そんな感激をぶち壊す人物がいた。
部屋の外に聞こえないようにか、私の耳元で小声で囁く。
「ねえねえ、姫輝。悠橙先輩も勉強会に誘っていい?」
私は複雑な心境に眉をひそめる。
「に~にの顔が見れるのは嬉しいですが、何のためにです? 梨琴さんに勉強を教えるのは私でもできますわよ?」
「えへへ~、姫輝。悠橙先輩に、梨琴としていい女の子アピールしてよ!」
その提案に反対をする。
「嫌ですわよ! それって、に~にに色目を使えということじゃないですか! それは兄妹なのですから、抵抗あります!」
まあ、梨琴さんに、に~にを取られたくないという気持ちもある。
ブラコンでは……ないはず。うん。
「そこを何とか!」
梨琴さんが絨毯の上で土下座をする。なんか私が土下座をしているみたいで、逆にとても不快に感じる。
そんな私の心境に気づいたのか気づいていないのかは分からないが、梨琴さんは提案を持ち掛けてきた。
「今度、別の庶民の味を教えるから~」
そういうと、土下座をやめて私に泣きすがる。
「……はぁ~、今回だけですよ?」
「ありがとう!」
笑顔に変わった梨琴さんは、私に抱き着く。そんなスキンシップをとったことがないので、恥ずかしい感じがする。まあ、実の家族にはそういうスキンシップは取っていたけど……。
(に~にを勉強会に参加させるのは、決して買収されたからではありません。久しぶりに家族の顔が見たいだけですわ)
自分にそう言い聞かせている間に、梨琴さんがに~にを呼んできた。
「梨琴さん……でしたっけ? 勉強会にお邪魔します」
そして、に~にも勉強会に参加した。もちろん、勉強を教える側としてである。
に~には、自然と私と梨琴さんの間に座る。そんなに~にに動揺してしまう。
(え? に~に。私の隣に座っているけど、まさか梨琴さんに気がある!?)
なんてことも思いました。でも、よくよく考えたらに~には勉強を教えるために来たので、私と梨琴さんに教えられるように真ん中に来ただけであろう。
それに気づいたらほっとした。
勉強をしていると、時々、机の下から足を蹴られる。対面に位置する梨琴さんの仕業であろう。先ほど話していたことを早くやれと。
つまり……に~にに色目を使うのか?
緊張でごくりと生唾を飲み込む。
「に……じゃなくて、悠橙先輩! ここ、教えて下さ~い!」
ちょっとお馬鹿っぽく言ってみた。梨琴さんならこんな感じですわよね?
梨琴さんの希望と違うのか、机下で足をげしげしと蹴られる。
そんなこんなで勉強会も終わり、に~にに、笑顔でお礼を言う。
「勉強を見て頂いてありがとうございました!」
「どういたしまして」
に~にも笑顔で部屋を去っていった。
私はどっと疲れてため息を吐く。
「梨琴さん、これでいいですわね」
「え? よくないよ? 今回だけじゃ効果ないじゃん」
梨琴さんはしれっと言ってきた。先ほどの約束では今回限りだったはず。私は強く反論しようとしたところで……。
「今後、色々と庶民の味や遊びを教えてあげるから」
「うぐっ!」
私は口にしようとした言葉を飲み込んだ。
いつも読んで頂きありがとうございます。
ストック分の小出しです(汗)。
すみません!
最近、体調を崩していて執筆がまったくこれっぽっちも進んでいません!
少しずつリハビリを頑張りながら進めたいと思います。
まあ、当面ストック分なので問題ないと思いますが……。
こんな私が完結できるように応援して頂けたらと思います。
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