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「再配達、恋もできますか?」  作者: ともり。
第二章 おかえりのある部屋 第二十六話 おかえり

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第二章 おかえりのある部屋 第五十話 静かな幸せ

# 第二章


## おかえりのある部屋


### 第五十話 静かな幸せ


藤堂が肩へ頭を預けてくる。


玲司は、その重みを感じながら静かに息を吐いた。


部屋は静かだった。


冷房の低い音。

遠くを走る車。

時々揺れるカーテン。


でも。


その静けさが、今は心地いい。


藤堂が、目を閉じたまま小さく呟く。


「……眠くなる」


玲司は少し笑う。


「ここ来ると毎回それ言う」


「安心するので」


その返事が、胸へじんわり沁みる。


玲司は、藤堂の髪をゆっくり撫でた。


最初は。


触れるだけで緊張していた。


手が当たっただけで、心臓がうるさかった。


でも今は。


こうして自然に触れられる。


その変化が、少し不思議だった。


藤堂が、うとうとしながら小さく笑う。


「……幸せですね」


玲司の胸が、静かに熱くなる。


幸せ。


その言葉を、こんな穏やかな気持ちで聞ける日が来るなんて思わなかった。


玲司は天井を見上げながら、小さく息を吐く。


「……うん」


短い返事。


でも。


それだけで十分だった。


藤堂が、玲司の服を少し掴む。


寝ぼけているみたいに。


その仕草が、妙に愛しい。


玲司は小さく笑った。


「ほんと犬みたい」


藤堂が目を閉じたまま呟く。


「玲司さん限定です」


また、そういうことを言う。


玲司は、もう慣れたはずなのに。


そのたびちゃんと嬉しくなる。


静かな夜。


好きな人の体温。


肩へかかる重み。


こんな何でもない時間が。


どうしようもなく、大切だった。


藤堂が、半分眠った声で聞く。


「……玲司さん」


「ん?」


「来週も、その次も、ここ来ていいですか」


玲司は、小さく笑う。


それから。


藤堂の頭を軽く撫でながら答えた。


「……当たり前じゃん」


その瞬間。


藤堂が、安心したみたいに小さく笑った。


窓の外では、夜風が静かに街を通り過ぎていく。


でも。


玲司の胸の中だけは、優しく満たされていた。


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