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「再配達、恋もできますか?」  作者: ともり。
第二章 おかえりのある部屋 第二十六話 おかえり

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第二章 おかえりのある部屋 第四十一話 隣で食べるご飯

# 第二章


## おかえりのある部屋


### 第四十一話 隣で食べるご飯


「おかえり」


その言葉を聞いた瞬間。


藤堂が、少しだけ目を細めた。


嬉しそうだった。


それを見た玲司の胸も、じんわり温かくなる。


藤堂は靴を脱ぎながら、小さく息を吐く。


「……帰ってきた感じします」


玲司は少し笑った。


「ここ、実家じゃないけど」


「でも落ち着くので」


その返事が、妙に嬉しい。


藤堂は制服のままソファへ倒れ込む。


「疲れた……」


玲司は冷蔵庫を開けながら振り返る。


「今日ご飯どうする?」


藤堂がソファへ顔を埋めたまま答える。


「玲司さんと同じならなんでも」


玲司は吹き出した。


「雑すぎ」


結局。


近所の定食屋でテイクアウトを買ってきて、二人で部屋で食べることになった。


テーブルへ並ぶ容器。


味噌汁の湯気。


コンビニじゃない、ちゃんとした夜ご飯。


藤堂が嬉しそうに箸を持つ。


「なんか同棲みたいですね」


玲司は危うく味噌汁を吹きそうになった。


「急にやめて」


藤堂が笑う。


「でも、ちょっと思いません?」


玲司は視線を逸らした。


思う。


かなり。


仕事終わりに、一緒にご飯を食べる。


「いただきます」って言う。


何でもない会話をする。


そんな普通の時間が、思った以上に幸せだった。


藤堂が唐揚げを頬張りながら、小さく笑う。


「玲司さん、ちゃんと食べてると安心します」


玲司は少し眉を寄せる。


「保護者?」


「恋人です」


さらっと返ってくる。


玲司は、また顔が熱くなる。


最近、本当に慣れない。


でも。


そのたびにちゃんと嬉しい。


テレビもつけず、二人で静かに食べる。


箸の音。

味噌汁を飲む音。

時々交わる視線。


それだけ。


なのに。


どうしてこんなに落ち着くんだろう。


藤堂が、ぽつりと言う。


「……こういうの、ずっとしたかったです」


玲司は顔を上げる。


藤堂は、少し照れたみたいに笑った。


「仕事終わって、好きな人とご飯食べて、だらだらして」


その言葉が、静かに胸へ沁みる。


玲司も小さく笑った。


「……俺も」


その瞬間。


藤堂が、本当に嬉しそうに笑った。


その笑顔を見るたび。


“帰る場所”になれている気がして。


玲司の胸は、静かに満たされていった。


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