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「再配達、恋もできますか?」  作者: ともり。
第二章 おかえりのある部屋 第二十六話 おかえり

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第二章 おかえりのある部屋 第四十話 夜の約束

# 第二章


## おかえりのある部屋


### 第四十話 夜の約束


それから。


玲司と藤堂は、“当たり前みたいに会う”ようになっていた。


仕事終わり。

コンビニ。

マンションの下。

玲司の部屋。


最初は特別だった時間が、少しずつ日常へ変わっていく。


でも。


慣れたわけじゃない。


会うたび、ちゃんと嬉しかった。


その日も。


玲司は仕事を終えて、少し疲れた身体で駅を歩いていた。


電話対応が長引いて、頭が重い。


でも。


スマホを見るだけで、少しだけ呼吸が楽になる。


【今日、行ってもいいですか】


藤堂からだった。


玲司は小さく笑う。


最近、ほとんど合鍵を欲しがる犬みたいになっている。


【今日はだめって言ったら】


既読。


数秒後。


【玄関前でしょんぼりします】


玲司は吹き出した。


疲れていたはずなのに、自然に笑ってしまう。


【じゃあ来れば】


送信。


既読。


【好きです】


即答。


玲司は思わず立ち止まった。


駅前の人混み。


信号の音。


周りは騒がしいのに。


胸の奥だけが、妙に静かに熱かった。


帰宅。


玄関を開ける。


静かな部屋。


でも。


今日はもう、“あとで藤堂が来る部屋”だった。


それだけで、少し空気が違う。


玲司はスーツを脱ぎながら、小さく息を吐く。


昔は、一人の時間が楽だった。


誰にも気を遣わなくていい。

静かでいい。


そう思っていた。


でも今は。


“待つ時間”ができている。


それが、嫌じゃない。


むしろ。


少し嬉しい。


インターホンが鳴る。


玲司の心臓が、反射みたいに跳ねる。


モニターには藤堂。


制服姿。


少し疲れた顔。


でも。


玲司を見た瞬間、柔らかく笑った。


玄関を開ける。


夜風が少し入り込んでくる。


「……ただいま」


藤堂が、小さく笑いながら言った。


玲司は、その言葉を聞いた瞬間。


胸の奥が、じんわり熱くなる。


少し前まで。


“お疲れさまです”しか交わしていなかったのに。


今は。


この人が、自分の部屋へ帰ってくる。


玲司は、小さく笑った。


そして。


自然に返していた。


「おかえり」


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