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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第3章
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刮目 その4


 もう温泉や仕事どころでは無い。地元で知らぬ者はいないダークレジェンドの秘部、もとい秘話である。健太や忍は知っているのだろうか。


「それで、その人と結婚を?」


「ううん。だってその人、奥さんいたもの」



 全力でずっこけた、さながらドリフの如く。この女が不倫、ちょっと想定外であった。


「…… それな」


「初めてを貰ってもらう。それだけで良かったの」


「は? じゃあ…」


「うん、その一度きりよ、その人とは」


「ちょっと待てーーー、よし、その人とは一度きりな、で、その一度で…」


 クイーンは顔を赤らめ、恥ずかしそうな表情でそっと呟く。


「そう。真琴が出来たの」



 上野動物園のマウンテンゴリラに思い切り殴られた様な衝撃を受ける。


「マジ…か?」


 俺が呻く様に言うとクイーンはそっと頷き、苦笑う。


 彼女は翔に言っていた、これまでに三回しかセックスをしたことが無いと。当然俺は笑い飛ばしていた。そんなことはありえないし、そんな女はこの世にいる筈もない、と。だが彼女のこの独白を聞いて、俺は自分の価値観を疑い始める。彼女はこの様な事で嘘をつく事はあるまい。短い付き合いだがそれは分かる。


 そして、その彼女の価値観に驚愕すると共に惹かれ始める。この容姿だ、中身は別として、これまでの人生で大勢の男共に、相当言い寄られてきたであろう。


 相手の金、権力、容姿に惑わされる事なく、自分の価値観のみを拠り所とし彼女は男を選んできた。相手の想いでは無く、自分の想い。


 彼女に想われた男達に会ってみたい、何故かそう思った。



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