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鼓動 その5
相変わらず思ったことを包み隠さない。それだけにこいつの叫びは庶民層の代弁と受け取ってよさそうだ。するとこのクラスの旅館はちょっと背伸びした庶民層には敷居が高いのか?
「なるほど。じゃあ温泉だ。色々入って来て、またお前の率直な意見を聞かせてくれ」
「お、おう。あ、それよりアイツら二人、よろしくやってんのかな。美術館行くとか言っといて、実は奴らも温泉っ
今頃二人一緒にこんな風呂に入ってっ… いってー」
思わず頭を叩いていた。ヒットアンドダッシュ、俺は鍵を握りしめ、
「俺は露天風呂とか行ってくるからお前はその内風呂から先に入れや。ビール追加していいぞ」
「は、何言ってんだオメー、外に出たフリして覗こうって魂胆だろー」
俺は全身全霊で溜め息を吐き出しながら、
「いやいやいや、大丈夫。お前があと二十歳若くて性根入れ換えて人の道を真っ直ぐ進んで人に優しく己に厳しく、そして豊乳手術受けた後ならその可能性は若干上がるがな」
「すまん、日本語喋ってくんね? 何だよ豊乳手術って。てか、折角なんだからさ、でっけー風呂入りたいんだよ。この部屋の風呂は別にいいわ」
「成る程。じゃあ俺が入らせて貰うわ」
「おう」
「ああ」
「…」
クイーンは何故かモジモジしながら俺をじっと眺める。




