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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第3章
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鼓動 その4


 そして部屋付きの内風呂を見て心底仰天してしまう。すごいな日本人、これは文化だ。入浴という習慣を文化にまで高め、その極みを見た気がする。間違いない、この風呂に浸かれば俺の入浴に対する概念が大きく変わる。そう思わせる何かを一人感じていると、


「ビ、ビール飲まねえか?」


「そうだな。俺は一杯くらいなら飲むかな」



 冷蔵庫に入っていた箱根の地ビールを空け、グラスに注ぎ二人で乾杯だ。


「プハー、生き返ったー、いやー、参ったわー」


「何なんだよ、さっきからお前、借りてきた化猫みたいじゃないか」


「だからよー、こんな高級なトコ、生まれて初めてなんだよ。お前と違ってアタシは庶民様なんだからよ」


「俺だって同じだって。そもそも温泉旅館なんて滅多に来ないんだからさ。やっぱここは普通の旅館とは相当違うのか?」


「ぜっんぜん違う。何から何まで全然」


「何から何まで?」


「駐車場に止まってる車が違う。全部高級車」


「そ、それは客筋の問題だろ」


「全てがあまりに綺麗すぎて、スッゲー緊張する」


「それは普段薄汚いお前の問題だろ」


「受付とか仲居さんが丁寧で優しいけど目が笑ってない」


「それはお前が不審すぎるからだろー… あれ怒んないのか?」


「お前とかどーでもいいくらい、ここは綺麗で高級で、キンチョーする」



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