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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第3章
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人ノ道 その5


 俺たちは国道を小田原方面へ戻り、第二の目的地、今回の最重要課題である日帰り温泉の宿へと向かう。隣の鼾を無視するために窓を少し開けると、新鮮な空気が流れ込んでくる。新緑の若い匂いに心が少し落ち着いてくる。


 そう言えば女性とドライブなんていつ以来だろう。俺はこれまで浮気相手とドライブデートなぞした事がない。浮気相手とはサクッとホテルで落ち合い、サクッとする事をし、サクッと食事でもして帰宅する。それが里子が亡くなるまでの俺の逢引のスタンスだった。



 それが今回― 鉄板のドライブデートなのだ。新緑の箱根路を颯爽と車を走らせ、スマホにダウンロードした懐かしの洋メロを流し、軽快なトークに時間の経つのも忘れ……


 隣を見る。口を開け涎を垂れ流し、だらしなく爆睡している女性… あれ、こんな筈では…



 違う違う! 


 俺はドライブデートに来たのではない! 絶対に失敗できない仕事で来ているのだ。若い二人の『アオハル』振りを見せつけられ、危うく本来の目的を見失う所であった…



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