81/550
人ノ道 その3
「はーーーーーーーー」
助手席から深く長い溜め息が聞こえてくる。
「な、なんだよその溜め息。悪かったよ」
「オメエ、道もまともに走れねえのか。そんなんだから人の道も踏み外すんだろうが!」
「お、お、お前に言われたか無いわ! お前は人の道どころか子供の道、少女の道、オンナの道、ありとあらゆる道の外を走って来たんだろうがっ」
「あたしは親の道、ばあばの道はど真ん中走ってきてるけどな」
「んぐっ…」
「てめえも親の道ぐらいはマトモに歩けや、ボケが」
より良い家族関係。クイーンと翔、やっぱりあるじゃないか! ちゃんと存在するじゃないか、目の前にいい手本が!
「ちょ、ちょっとお婆ちゃん、あーー! 金光さんまた真っ直ぐ行っちゃっ…」
危うく御殿場まで行きかけて、然し乍らようやく第一目的地の強羅にたどり着いたのは、それから約一時間後の事だった。




