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決定 その6
翌日。急ぎ旅行の手配に入る。山本くんはこれほど俺が苦労した事を知る由もなく、箱根のとある超高級旅館の日帰りプランを最終稿として提示して来る。
日程は梅雨に入る前のとある土曜日に決まる。思いの外有能な奴だ。
俺と同行する女性が誰なのか詮索されるかと思ったが、そこまでされなかった。まあ俺個人に対してさほど興味はないのだろう。それでいい。
社長が若干その点に興味を示していたが、銀行支店長時代に培った能面顔で
「個人情報なので」
と言うと慌ててカクカク首を振る。あの女の事なぞ死んでも会社に知られてたまるか。
遠くで女子社員たちがゲジゲジのバラバラ死体を見る目で俺を眺めている。俺は虫の死体以下の存在なのだ、この会社においては…
そう思うと若干寂しい気分となるも、満面の笑みの山本くんを見るとこの仕事受けてよかったな、と思い始める自分に少し笑えた。




