衝撃 その7
「ゴホゴホ。では、その可能性を何かしらの努力で上げる、という方向性についてはどうでしょうか。例えば、地域のサークルに参加する、スポーツジムに入る、同窓会に出席する、とか」
「お見合いなさい、お見合い! 私聞いて回るわ! あ、前田さんとこのカナちゃん…」
お袋が急にテンションを上げながら俺に掴みかかる。
「何で母さんテンション上がるの。そーゆーのホントいーわ。ふーーー」
「ねえ、付き合う前に絶対私に相談してよ」
葵が情熱的な冷たい目(?)で俺を睨みながら呟く。
「いやいやいや、だからそーゆーの…」
「出会いサイトとか有り得ないからね。私のお母さんになるかもでしょ?」
俺は肩をすくめながら、呆れ果てた顔で
「いやいやいやいや、もーさー。ね、翔くん。こんな感じなのよウチの家庭。薄っぺらく相手を選び与えようとする母、亡くなった母以外母と認めることのない娘。そしてもう勃つことのな…… おっと…(あぶねー)」
「気持ちは分かりますが、金光さん自身が現状から少し勃ち上がって頂かないと」
「え… あ… はい、最もかと(あービックリした)」
「でも本当に行き詰まりましたね。もう僕らではどうしょうも…」
翔が本当に申し訳なさそうに頭を抱える。なんていい奴なのだ、どうでも良い彼女の父親のために、高い知能をフルで使ってくれるとは。やはり葵にはもったいなさ過ぎる。高校進学を機に彼女と別れるように進言しようと心に決めた時。
「あっ…」
突然、葵がすっとんきょな声を上げる
「何?」
「パパ、翔くん、こんなのどお?」
黒い革の手帳をチラリと眺めながら… いや、この時本当にそう見えたんだ… 葵は話始めるのだった。




