衝撃 その4
「翔くん。相談がある」
こうなったら、この遺伝子学では全く説明のつかない超優秀な少年の懐に飛び込むしかない。恥もへったくれも無い。俺はこれまでの事を翔に訥々と話し始める。
母親と娘の前で初めて語る俺の仕事への思い。亡き妻への想い。あ、流石にアレの話は時期尚早なので省略したが。そして今回の攻略不能に近いミッションのこと。全て包み隠さずに語り終えた時、翔は軽く頷きながら、
「うーん、成る程。要は会社の今後の発展と若い社員の成長の為に、祖母と日帰りで温泉に行かねばならない。そういう事ですね?」
「全くもってその通りだ」
流石、理解が早い。俺ら凡人とは頭の構造が違う様だ。
「唯それがどうしても祖母でなければならない理由が弱いですね」
この問題の最大のポイントをいとも簡単に指摘する。流石である…
「それも全くもってその通りだ」
「同年代の知り合いの女性が祖母だけだから、かー。厳しいですねー、それでは…」
「そうか。いや光子さんなら男友達大勢いそうだし、旅行なんてしょっちゅう…」
「あー、それはないです。断じて」
翔がキッパリと言い切る。
「え?」
「ああ見えて、うちの祖母、滅茶苦茶身持ち固いんですよ」
「ええ?」
「本人曰く、ですが、今まで付き合った男性は三人」
「えええ?」
「そして、所謂セックスは、本人曰く、それぞれと、一回ずつ」
「ええええ?」
「その結果、僕の母、叔父二人の三人の子供。だそうです」




