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激変 その2
それよりもこの企画の俺にとっての問題点。
「五十代の夫婦、乃至は恋人に提案する日帰り高級温泉」
という企画案なのだ。
いや企画自体は今までのこの会社にしては面白いと思われる。寧ろ同業他社も盛んに企画している。
この会社にしては、いや普通の会社にしても非常に優秀な三ツ矢という営業部長が、山本くんの希望する幾つかの高級温泉旅館に打診し、承諾もとってきている。
あとは誰か社員が実際に現地サーベイを行い、企画とのギャップを指摘し修正して世に出すだけなのだが、問題なのは五十代の社員が俺しか居ないという点。
別に三十代の社員でも良いのではという意見が役員から出たが、あの山本くんがこう言い放った。
「三十代で行く温泉と五十代で行く温泉が同じ物だと、皆さんは言い切ることができますか。皆さんは金光専務が日帰り温泉に何を求め何に価値を見出すのか、想像出来ますか?」
全員、一斉に首を横に振ったね。因みに俺も。
でもそれは五十代の人々の価値観がどうのというよりも、金光専務が何を考えてんだかを想像出来ないってことなんだろう? なんて考えていると、山本くんがキリっとした顔を俺に向け、
「と言うことで、是非金光さんにリサーチに行っていただきたいんですが」




