5/341
再会 その5
「おう、そこだよ」
駅前の大通りから少し入った所に、その島田 何某女史の居酒屋はあった。外見は今流行りの古民家風の小洒落た造りである。
門前仲町に戻ってから俺はこの地元で飲食することは殆どなく、むしろ住み始めてまだ三年の葵の方が、よっぽど地元密着な生活を送っている。
従ってこんなちょっと洒落た居酒屋の存在なぞ全く知らなかった。
健太は常連客っぽく暖簾を潜り、
「忍ちゃーん、うぃーっす、二人ね二人」
「らっしゃーい、って、健太かよクソがっ」
俺は二人のやり取りに思わず硬直してしまう。
「またまた何言ってんのー、相変わらず威勢いいなっ」
「うっせーんだよ。とっととそこ座れや」
「はいよっ ささ、軍司、こっちこっち」




