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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第1章
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再会 その4


 こうして地元の人間と食事をするのは一体何年ぶりだろう。毎年開かれている(らしい)同窓会に参加していたのは大学生の頃までか。


 社会人になり転勤が多く、日本中を転々としてきた俺がこの街に戻ってきたのは三年前。


 妻の里子が若く急逝し、一人娘の葵の面倒を母に見てもらうべく、それまで住んでいた杉並の高級住宅地からこの門前仲町にひっそりと戻ってきた。


 それ以来、地元の人間と関わる事なく俺は過ごしてきている。地元に残る人間と俺のように地元を立つ人間との社会格差は、この歳になると大きく差ができるものだ。


 地元に残っている人間の大半は親からの自営業だ。この高橋健太も父の代からの左官屋だ。本人はインテリア業と称しているが、左官屋だ。この先も死ぬまで左官屋だ。


 彼らはよっぽどの事がない限り、自分の生まれ育った家で家庭を築き、地元に根付き根差し、地元に縛られ一生を過ごす。


 地元から出る人間―多くは高校、大学を経てサラリーマンとなり、何回か転勤を繰り返す内に生まれ育った地元を徐々に忘れて行く。実家に戻るのは親に孫の顔を見せに来るぐらいとなる。もしくは親の葬式とか…


 50代に近づき定年までの会社人生が大まかに見えて来た頃に、そのステータスに見合った土地に家を構え、定年後も地元に帰る事なくそこで過ごす。


 俺もあと十年もすればサラリーマン生活を終え、次の人生のステージに入る。


 三年前までなら、この地元である門前仲町で老後を送るなぞ考えもしなかった。メガバンクの支店長を務め、取締役までは無いにしてもそれなりのステータスの生活を老後に送れるはずだった。それが…



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