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変化 その5
気がつくと終業時刻となっている。転籍して一年、これ程時間があっという間に経ったのは初めて。大きく伸びをし、何となく周囲を眺めると、何人かの非難じみた視線を感じる。
会社を出て、有楽町の駅にある旅行代理店をふと覗いてみる。カウンターは満席、予想外の客の多さに目を丸くしてしまう。
店外の旅行のパンフレットを手に取り眺めてみる。旅行好きでない俺でさえ、「あ、ここちょっと行ってみたいな」なんてつい思う程の出来である。
そんな俺の横を次々と客が店内に入って行くのを見て、正直驚いてしまう。何と大勢の人が旅行を求めているのだろうか、と。
ふと、普段旅行なんて行くこともないであろう我が地元の庶民層は、旅行にどんな想いがあるのか聞いてみたくなり、あの居酒屋に行く事にする。
健太に連絡をすると直ぐに返信が来る。よっぽど暇なのか俺をこよなく愛しているのか。どちらにせよ余り気分が良くない、早く冷たいビールを喉に流し込みたい……




