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承認 その10
「あ、あのー、僕たちまだキス……」
いつの間にか着替えを終えてクイーンの孫、葵の彼氏、そして俺を救ってくれた翔と呼ばれる少年が、俺らの後ろに立ち竦んでいた。
「ウッセー」「黙れっ」
何故か非常に腹立たしくなり、思わず怒鳴ってしまった。
「姐さんとキング、被ったー ぶはは」
白豚が腹を抱えて大笑いしている。失礼な豚だ。いつか豚骨ラーメンの出汁にしてくれる。
そんな白豚におしぼりを投げつけるとクイーンはスッと立ち上がり、
「いやー翔、お前空気読めないなー、折角コイツの… まいっか。で、キング?」
クイーンが翔に抱きつきながら俺に目で問う。
俺は目で頷きながら、翔という少年を改めて眺める。
制服を着替え、この街に相応しくないボタンダウンのシャツにジーンズ。真っ黒の清潔に整えられた髪。自分の娘の彼氏として申し分の無い姿である。
翔の瞳を眺める。怯えた色は消え、駅前で見た決然とした透き通った色だ。どこまでも真っ直ぐで、どこまでも実直な澄んだ目だ。これ程キレイな目を見るのは久しぶり… でもないか。すぐ隣に…
ふふ、やっぱり遺伝子、正しい。正しい? あれ?
ま、それは置いといて…




