39/341
承認 その9
クイーンが驚くほどの暖かい笑顔で、
「そっか」
と呟く。手の温もりは俺の凍った心を少しずつ溶かしていく。
「オレは動いた。動けた。歩けた。前に、一歩…」
「そーだな。人助けたもんな」
片方の手を俺の肩にそっと乗せる。その掌からさらに、途轍もなく暖かく優しい力が注がれる。
すると徐々に、俺のこの三年間の腐敗臭が霧散していってる事に気づく。
「あの子がオレを… 歩かせてくれた… 名前なんだっけ?」
「翔。いい名前だろ?」
俺は口の中で「しょう」と呟き、
「ああ。よく出来た… 孫だ。いつか…」
無意識の内に微笑んでいると。




