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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
341/386

全国制覇 その8


 皆はプッと吹き出す。その事件は、先生が卒業生を十名近く叩きのめしたのが、教育委員会の槍玉に上がってかなり問題になったのだ。


「ハイハイ。先生、それで? 何が大変だったんすか?」


「それで、まず宿が見つからんのよ。何処に連絡してもよ、江東区の深川西中学ですって言うと満室だって。あと神社仏閣とかの訪問先も。正に門前払い。だから俺が現地にわざわざ行って土下座して頼み込んで何とか許可してもらったのに、コイツら…」


 思い出した! コイツら……


「ハハハー 確か他県の他校と集団乱闘…」


 止めた止めた! 俺と先生で、必死に止めたわ。うわ、懐かしい……



「二日目から栃木県警が見張りに来て… あー思い出したくねえ」


 そうそう、翌日から俺らのバスは栃木県警のパトカーが前後に張り付いていたわ。まあお陰でその後は何事もなく終わった、筈。



 そんな与太話をしているとクイーンが割とマジ顔で、


「アタシも暴れたかったあ」


 なんて呟くものだから、頭をポカリと殴りつけてから


「おい。で、今回は大丈夫だよな? もういい大人なんだからな」


「おお。流石に人間丸くなったからな。って、するかよ喧嘩なんて」


 クイーンがないない、と手を振るのを先生は笑顔で頷きながら、


「そうだぞ光子ー いい大人のオンナが喧嘩なんて、な。楽しく行くぞお」


 クイーンと先生が肩を組み合って大笑いしている。


 ははは、流石に50過ぎて出先で大暴れなんて。



  なんて甘く考えていた己を後々激しく後悔するとは、俺も先生も全く思っていなかった…。



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