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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
336/372

全国制覇 その3


 我ながらソコソコな出来の『修学旅行のしおり』が完成する、会社で。それを三十部ほどコピーする、会社で。何人かの若手男性社員が手伝おうとしてくれたのだが、一応プライベート旅行の事なので謹んでお断りする。当然女子社員は無視を決め込んでいる。


 なんていい奴らなんだろう、と心の中で喜びながらコピー機をいじっていると、



「専務。私がやります。でないと他の業務の妨げになりますので」



 と新入社員の女子にハッキリと言われてしまう。新人とは言え、女性社員と初めてコンタクトした瞬間であった。俺はビックリして彼女をガン見してしまう。


「ちょ… 庄司! オマエ専務になんて失礼なことを…」


 山本くんが慌てて俺たちの間に入るも、


「は? 本当のことを申しただけですが何か? それに本当に私達困っているのですが、コピー機使えなくて。私間違っていますか? 山本さん」



 俺と山本くんは項垂れてしまう。彼女に『修学旅行のしおり』を渡す。彼女はサッとそれに目を通すと、


「専務。数箇所ほど訂正すべき点がございますが、このままでコピーされますか?」


「え? どこどこ?」


「日時に曜日を入れるべきかと。あと費用ではなく代金かと。漢数字でなく9800円とすべきかと、それからー」


「あの、庄司さん、もし良かったら全て訂正してくれない? 俺のパソコン使って…」



 庄司さんは仕方ないですね、と呟きながら俺の机に座るとものの五分ほどで


「専務。ご確認ください。それと全部で30部で宜しかったでしょうか?」


 モニターを眺め、訂正箇所に納得し、カクカク頷くと、


「今後。こういった事務的なことは全て私にいいつけてください。わかりましたか?」


「よ、よろしく頼むよ」



 そう言うと彼女は満足げにデータをコピー機に出力する。あ、なるほど、こうすればわざわざコピー機弄らなくても…



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