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夜咲狂暴 その5
「すみませんね、専務。プライベートでお楽しみの予定なのに…」
若社長がやや申し訳なさそうに頭を下げてくれる。
「彼の『当社独占』に惹かれました。初めてじゃないですか、ウチが発信源って?」
「この路線では初めてです。専務、期待しちゃっていいですか?」
鳥羽が目をキラキラさせて俺を覗き込む。
「ま、何とかやってみますよ。少しはこの会社、儲けさせなきゃ」
「それは是非!」
深々と頭を下げられてしまう。
この会社はやり方次第で必ず大きくなる。俺の銀行時代の経験から診て、淡い期待感を否めない。三年前の支店長の俺なら、そこそこ融資していただろう。
社長室を出て自分のデスクに戻り、スマホメールをチェックすると、泉さんから連絡が来ていた。早速アンバサダーグループにアクセスしてくれたようだ。仕事の早い男である。
メールによると、一週間前までには大まかな人数を決めて欲しい、料金は二食付いて一人5000円でどうだろうか、とのこと。また、宿泊後にレポートを提出して欲しいらしい。
俺は全て了承した、よろしく頼むと認め、返信ボタンをタップする。
俺たちの五十代の修学旅行が動き出した。




